rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

北陸|1.越前海岸

 偶然に偶然が重なって連休が取れることに。慌てて天気をチェックしまくり、行き先に多少迷ったものの、今回は北へ向かうこととする。

 ところが、出発当日喜び勇んで早起きしたというのに、

 雨雲レーダーとにらめっこし、出発を予定より30分ほど遅らせて、いざ行かん。

どんより

 土曜だったが朝早かったこともあって近畿道もたいした渋滞はなく、相変わらずの曇天の下、名神に乗り換えてそろりそろりと。

 ちょっと雲が取れていきそうな気配の中、いつもよりも少し時間がかかって桂川PA

 なぜそろりそろりと進みいつもよりも少し時間がかかったのかというと、理由は先日から始まっているコレ。

 普段の出先はもちろんだがツーリング先でとっ捕まってしまうなんて考えただけでもブルーになる。今回も無事故はもちろん、違反、ダメ、ぜったい。

 桂川PAで朝の儀式を厳粛に執り行ったぼくは、そこから瀬田あたりまで続く週末の渋滞と滋賀県の長閑な田園風景を堪能しつつ進んだら、彦根あたりからようやく晴れ間が大きくなって気分も上々。北陸道へスイッチして敦賀ICでR8へ。

 ここからようやく今回のツーリングがスタート。北陸へ直行することも考えたのだが、せっかく北に向かうんだから、まずは久しぶりに越前海岸を堪能することとする。

 なんか最近日本海ばっかりだな……と苦笑しながらR8を軽快に進み、いよいよ越前海岸のメイン・しおかぜラインへ。

 しおかぜライン(R305)はどんな感じかというと、ずっとこんな景色だ。

爽快そのもの

 スカッとまではいかないものの信号もあまりない快走路に心も躍らないわけがないのだが、その度に心によぎるこのポスター。

 ひたすらカニを推してくる看板や幟に心と財布が激闘大バトルを繰り返していると道の駅の案内板が見えてきた。ここは一つ、敵情視察を兼ねて休憩するか……と思って近づくと、高らかに聞こえてくるマイクの声とやたらもたもたする車と「ここってホコ天?」と勘違いしそうなほど車道を平気で歩く人たちでごった返す、ある意味地獄絵図と化している道の駅・越前。

 とりあえず係員に案内されるがままにほぼ満車状態の駐車場の端っこに四郎号を止めると、目の前には「越前さかなまつり」の幟がたくさん。

 こりゃいいやとスキップしながら会場へ向かってみると、

 普段の週末は心ならずも労働に勤しんでいるぼくにとって、これだけの人の多さは少々ハードルが高い。晴れた週末を楽しげに過ごす人たちを横目にすぐ隣りにあったコンビニで一服しようと思って行ってみると、同じような境遇なのかはわからないが同じようにコーヒーを飲んで一服しているライダーが数名。目が合い、お互い苦笑いしながら頭を下げる。

 再びR305へ。

しおかぜラインの名に恥じない海際をひた走るぞ

 道の駅から越前岬を越えて見えてきたのは呼鳥門。

 現在は遊歩道になっている道が昔はR305で、日本唯一の天然トンネルとして有名だったのだが、崩落の危険が高くなったためにトンネルが建設された経緯がある。今は真下を走ることができないのは残念だが、荒々しい日本海を代表するかのようなこの景色が眺められるだけでも価値がある。

 呼鳥門からは「カニ」に交じって「水仙」の看板も増えてきた越前しおかぜライン。

 次はやっぱり鉾島だな。

小さいながらも柱状節理が見事

 小さいとはいえ同じ構造の東尋坊がデカすぎるのであって、この鉾島も人間のサイズからすれば十分デカいのである。

 R305も三国湊あたりで海沿いからは離れ、芦原温泉を過ぎたら再び北陸道に乗るべくフルーツラインで一路金津ICへ。

新蕎麦が待ち遠しくなる

こういう道こそ心に浮かぶあのポスター

 ぼちぼち腹も減ってきたので、見えてきた尼御前SAへ。

 風に勇ましくはためく「鹿肉串」「牛タン串」「牛串」の幟に心は揺れるが、ぼくは己の身の程を知る人間だ。というのは真っ赤なウソで、今晩のごはんを堪能するため、ここは質素に山菜そばでぐっとガマン。

 再び北陸道に戻り、金沢を目指したのである。

(つづく)