RIDER NOTES

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

飛騨|1.郡上八幡

プロローグ

 チョーがつくほど久々のツーリングは、会社の先輩と行くことに。日々バイクで通勤している先輩は、聞けばツーリングってやつには縁がなかったそうだ。バイクに乗っておきながらツーリングに行ったことがない人種はいないとなんとか説き伏せ、それでもあまり乗り気ではなさそうな先輩の「露天風呂に入れて、肉と蕎麦が食えるなら」という希望(というか条件)を叶えるべく、行き先は飛騨に決定した。

 待ち合わせは西名阪道の香芝SA。朝7時。サブい! ここんところすっかりあったかくなった陽気を見越し、僕はなんとTシャツにメッシュジャケットという暴挙にでていた。

bar「サブいッスわ...」
先輩「この気温でその格好は自殺行為やぞ」
bar「ですよね〜」
先輩「しゃーないな。コレ貸したるわ」

 と長袖ジャージの上着を拝借。これであとは太陽さえ出ればノープロブレム。

 そこからは西名阪~名阪国道~東名阪をバビューン……と行きたいところだったが、なんのためかよーわからん車線規制のおかげで渋滞12Km。春の交通安全運動の真っ最中ということもあったのでおとなしく車の列に埋もれて進んでいた中、「災害派遣」というゼッケンを付けた何台もの自衛隊のトラックが何十台と連なって走っていた。まだまだ東日本大震災の余波は続いているので、自分たちがこんなのんきにツーリングしてていいんだろうかと思わなくもなかったのだが、せめて元気な日本になってもらうためにも経済活動は支えなくちゃ......とかなり都合よく考えることにした。

 東名阪の渋滞をやり過ごした僕たちはそのまま名古屋へ突入。東名阪から名前を変更した名古屋第二環状線(名二環)に入り、名古屋高速16号一宮線を経由して、いったん名神を西へ。そこから東海北陸自動車道各務原、関などを越えて、ようやく一つ目の目的地・郡上八幡に到着。

肉を食らう

 高速から下りてどこをどう走れば郡上八幡の町なかに入れるかさっぱりわからんまま、見えたコンビニに入って早速情報収集。

 さすがは観光地のコンビニ。予想通りちゃんと町中の地図をくれた上に、どうやって町なかにいけばいいかを丁寧に教えてくれた。すごいぞ! サークルK郡上愛宕のおばちゃん、ありがとう!

 そして目指すは観光案内所にもなっている、郡上八幡の旧町役場庁舎。

(ここの記憶だけはアリ)

 まず探さねばならんのはバイクの駐輪場。観光地化されてるんだし、昨今の時代の流れもあるんだからバイクの駐輪場はあるハズ...…とそれっぽいおじちゃんに聞けば、安養寺というお寺だけはバイクの駐輪もできるとのことで、早速お寺へGO! おっちゃんに1台200円をお支払。

 バイクの置き場が見つかれば、時計はまさに12時前。

先輩「どっか、おススメのお店はありますか?」
おっちゃん「何が食べたいん?」
先輩「肉か蕎麦です」
おっちゃん「肉なら、ほれ、そこの道を左にず~っと行ってつきあたった右手にある泉坂さんか、左手にある新橋亭かなぁ」

 よっしゃ! とばかりに、まずは右手にあった泉坂さん。

二人「……」

 気を取り直して、新橋亭にしよう! そうそう、「新橋亭」って名前の方が旨そうな感じがしたんよね! と向かうと、

 日ごろの行いですか?

 しょげててもしかたがないので、その新橋亭さんから数件先にあった「大八」さんの店先にあった「飛騨牛焼肉丼」の文字にすっかり魅了されてしまった先輩によって昼飯が決定~!

r.gnavi.co.jp

飛騨牛の焼肉丼1600円也)

 しがないサラリーマンの僕は1600円なんて金額で昼飯を食ったことなどないので、値段だけでもうおなかいっぱい。あ、肉ももちろんサイコー! ついでに言うなら味噌汁の味噌もいかにも田舎味噌って感じでよさげ。

 腹もできたところで、あとは郡上八幡の町を散策。

宗祇水

 ぶ~らぶ~らと歩いていると、「宗祇水」の提灯が石畳の道の上に飾られてたんで、行ってみることに。

「宗祇水」は、室町時代連歌師としても、松尾芭蕉がその著書『奥の細道』で挙げた尊敬する4人の古人のうちの一人としても有名な飯尾宗祇が、ここ郡上八幡に庵を構え、この水を愛飲していたことに由来する。

 でも、この宗祇水の水の清冽さもさることながら、ここに続いてくる石畳の道や、すぐそばを流れる川のせせらぎも含めて、空間そのものを味わうくらいの方がいいのかもしれん。

 なんてことを若い時分に来たころにはこれっぽっちも考えつかなかったのだが、今回はミョーにそんなことを考えていた。

(とにかく川を流れる水が美しい)

(川べりから見えた郡上八幡城址

郡上八幡を歩く

 そこからはしばし郡上八幡の町を散策。鍛冶屋町や職人町といった名前の通りが表しているとおり、江戸時代の城下町として発展した、歴史のある町。

(僕たちの話題は「こういうところで生活する大変さ」だった)

 それにしても暑い……。

(つづく)