宮川朝市
先輩のいびきがすごかったというのは内緒だが、それでも日付が変わる前にはすっかり熟睡した次の日の朝。
先輩「お前のいびきがすごくて、2時ごろから寝られんかったわい」
なんでやねん。
昨日見えた遠くの(たぶん)乗鞍や(たぶん)奥穂高のご機嫌はいかがかな......と窓から望んでみると、何やら昨日よりもはっきりくっきり見える。
ひょっとして今日は昨日よりも天気はいいのか? なんてことを考えていて朝7時になろうかとする頃、宮川沿いの朝市へ向かうことにした。
高山の宮川朝市は江戸中期ころから始まって今も続いている、今では高山の観光では外せないイベント。大昔に来たことはあったけど、今じゃなんと昼の12時までやっているとのこと。お昼までやってて朝市と呼んでもいいのか疑問は尽きないが、やっぱり朝市っていうくらいだから朝イチから行かなきゃね! 先輩の首に縄をくくりつけて引きずりながら出発。
宮川の朝市は多い時で約60軒の出店しているそうだ。その道(上三之町)に沿ったお店が同時に開店するので、左右をきょろきょろしながら見ていかないといけない。といっても何Kmも続くわけじゃないので、ぶ~らぶ~ら見るにはちょうどいい距離かな。
歩いて来た頃はまだ「さぶ~っ」って感じだったが、お店を物色しているうちに陽が射してきて、ぽかぽか陽気の気配。こりゃぁ昨日以上の天気の良さだ。
漬物やら味噌やらお土産をゲットして十分満足したので、ホテルまでぶ~らぶ~らと歩いて帰ることに。
僕は観光客で賑わってた通りや町のひっそりとした時間帯が好きで、こんな時ほど高山の町をいとおしく感じたことはなかった。観光客相手じゃない、本当の姿というか。
ホテルに戻ったのは8時すぎ。朝食バイキングは9時までだったので、部屋には戻らずそのまま1階のお食事処へ。
バイキングというと貧乏性の僕などは「食わなきゃソンだ」と思っているからなのか、場合によっては吐くまで食うというバカのような典型なわけだが、なぜか今回はとっても常識的な範囲におさまった。
「俺は普段朝めしなんぞは食わんから、ほとんど食えんぞ」と豪語していた先輩が3度も白飯のおかわりをかますという事態も発生し、いかに先輩のテンションが高かったかをまざまざと見せつけられたわけである。
チェックアウトの10時前まで部屋でうだうだとしていたが、いつまでもここにいるわけにもいかん。今日の目的地は白川郷。
R158
清見というところから東海北陸自動車道に乗ったら白川郷のすぐ近くまで行けるのだが、問題はここ高山から清見までをどうやって行くか。
スパッと行きたい先輩は高山清見道路という無料の自動車道でぴゃーっと清見まで行き、そのまま東海北陸道に乗って行くのも考えていたようだが、やはりここまできてどこへ行くにも高速(自動車道)ってのも味気ない。再び僕の強硬意見で、高山清見道路とほぼ並行に走っているR158で清見まで向かうことにした。昨日のせせらぎ街道チョイスですっかり信頼感を勝ち取っていたので、今日はすんなりと許可が出た。
はじめはいかにも、「地方都市の町外れ」っぽい風景が広がっていたのだが、
少しずつ人家も減っていき、
そのうち、昨日のせせらぎ街道とおなじく、前にも後ろにも車一台いない、スーパースペクタクルファンタジーナイスな快走路になった!
前日のせせらぎ街道ではあまりの快適さに一度も休憩することなくするするするする~っと走ってしまったこともあり、今日は途中の駐車スペースで一時休憩。
そこは遊歩道にもなっているらしく、小さな清流の水辺に水芭蕉まで咲いちゃったり。聞こえるのは鳥の鳴き声と風の吹く静かな音......。んん~、マンダム。
すっかりR158を満喫した僕たちはそのまま直進し、いよいよ白川郷へ向けて東海北陸自動車道へ。
飛騨トンネル
清見から白川郷は高速ならどう見積もっても30分もあれば着いちゃう距離。しかもその道中はほとんどがトンネル。ツーリングマップルを見ると、トンネルとトンネルの間のわずかなスペースを使ってぽつんとPAがあるではないか。これは寄らねば、というわけで、トンネルを出てすぐに出てきた左車線に入って飛騨河合PAへ。
上の写真に見える「飛騨トンネル」が、ツーリングマップルで見るととんでもなく長い。少なく見積もっても10Kmはある。
bar 「先輩! 次のトンネルってば10Kmはありまっせ!」
先輩 「マジか?! そんなトンネル通ったことないぞ......」
僕ももちろん通った記憶がなかったのだが、それもそのはず。後で調べてみてわかったことなのだが、日本で10Kmを超えるトンネルは、他には関越道の関越トンネルしかない。
日本国内の長いトンネルトップ5は次のようになっている。(2011年bar調べ)
1位 関越トンネル(11055m)
2位 飛騨トンネル(10712m)←Σ(゚ロ゚;)ヒー!
3位 東京湾アクアトンネル(9610m)
4位 恵那山トンネル(8649m)
5位 新神戸トンネル(7185m)
というわけで、もうええかげんイヤになるほどの距離感を味わいながら、なんとかかんとか飛騨トンネルを突破したら、そこは白川郷IC。
(つづく)