RIDER NOTES

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

播州|2.牡蠣を食らう

七曲

 姫路城からは県道62号線で南下。途中で「白鷺橋」といういかにも姫路的な名前や、「大将軍橋」というおいおい勝手にこんな名前付けちゃっていいのかよ的な名前の交差点を越えてR250へ。

 R250は姫路市内では郊外型大型ショッピングセンターやら工場などがあったりダンプが意外と多かったり…と、なかなかストレスのたまる区間だったが、揖保川を越えて御津町に入ったあたりから車の量もぐんと減り、断然走りやすくなった。

 そして岩見という地区を越えたあたりからは、ようやく出てきた日の光を細かく反射させ始めた海を左に臨みながら、快適にアップダウンとカーブを繰り返す「七曲」。今日の楽しみの一つでもある。

 しかし、非常に残念ながら、こんな時に限って何かの拍子に僕たちの前に入った軽自動車2台がまったりのったり…。こちらもまったりのったり。

 この御津町~相生~赤穂まで続くR250は「はりまシーサイドロード」と呼ばれている。別にR250全線を走りきったわけじゃないが、快適に走れるのは実際は御津町あたりだけかな。

 そのまま相生に入ると造船工場の大きなドックやどでか~い機械が見えたりして情緒はまるでなし(相生は造船で栄えた町として有名)。僕はいっそのこともう一回戻って走りなおそうかな…と思ったほど御津町のR250は快適だったのだが、あまりの空腹に勝てず、そのまま西を目指すことにした。

道の駅 あいおい白龍城

 お次の休憩ポイントは、道の駅 あいおい白龍(ペーロン)城。ペーロンってなんだ?  簡単に言うと、中国風の多人数漕艇である。5月末にペーロン船の競漕競技があってニュースでも見たことがある人も多いのではないだろうか。

peironjo.jp

 ここは中華レストランや休憩スペースだけじゃなく「ペーロン温泉」なんかもあったりして(どんな風呂や)、なかなか大きな道の駅だった。石川島播磨重工業の大きな工場を見ながらR250に行ったん別れを告げ、僕たちは脇道へ。わざわざ脇道(県道568~458)に入ったのは、本日のツーの目的の一つでもある昼メシのためである。

海の駅 しおさい市場

 やってきたのは、海の駅 しおさい市場。

uminoeki.com

 ここは赤穂市漁業協業組合が運営する施設で、たどり着くまで一切宣伝(案内)看板はない。突如見えてくる小さな港と、それに不釣合いな建物が見えたら、そこがしおさい市場だ。案内看板がない、突如建物が見えてくる、といったハンデをハンデに感じさせない長所。それは「漁港内の食堂」。漁港内の食堂にハズレなし。

 着いたのは午後1時。とりあえずすぐに中へ入ったが、食事コーナーは大盛況。順番待ちしている人たちもわんさかいるではないか。

 まぁしかたがない。大人しく待とう…ということで、しばし内外をうろちょろすることにした。

 外では車でいっぱいの駐車場といるかウォッチ(冬期は閉鎖中の様子)以外は特になし(ホントは港をぼーっと見てるだけでもよかったのだが)。お次は中。

 中はご覧のとおり、軽いお魚屋さん状態。奥ではおっちゃんが忙しそうに魚をどーにかしてるし、手前ではお姉さんら2~3人が次々とやってくるお客さんを相手に注文のブツを量ったり、買うものの相談をしていたり。 ってわけで、寂しがり屋のぼくちゃんも、早速並んでいるモノを見てみることにした。

 1キロ800円の殻付き牡蠣。マジでどれもこれも大きくて身がずっしりと詰まってそう 。そしてお次は、

 出ました必殺・タラバ蟹。もちろん狭い水槽でのっそりのっそり動いてます。一匹(一尾?)12000円。けっこういい仕事してます。ふと振り返って食堂の方を見ると、

ソルトクリーム?! 単なるおっさんギャグか?

 甘い物が嫌いなわけではない僕だが、じゃぁソルトクリームにそそられるかとなるとなかなかそーゆーわけでもない。なんせ僕はしょっぱいのもダメ。よって今回は却下。

 今回は何を食おうとして順番待ちまでしているのかというと、ここ赤穂で名物の牡蠣を食べちゃおうという魂胆なのである。

 牡蠣といえば去年の1月にもTちゃんと伊勢まで行って食った記憶があるのだが、

ridernotes.hatenablog.com

 まさにあの味が忘れられなくて、前夜眠い目をこすりながらネットで探し当てた史上初の「bar指定」のお食事だったのである(僕は誰かとツーリングするときは、ほぼ相手の言うがままに食事をする)。

 そんなこんなで、「もう僕ちゃん、ダ、ダ…メだ…」ガクッ…となる寸前でようやく名前を呼ばれたので、嬉々として案内されたテーブルへ。早速僕は、牡蠣にぎりと酢牡蠣、Tちゃんは牡蠣にぎりと蒸し牡蠣をご注文。

 約1時間待たされた甲斐もあり、ようやくたどり着いた牡蠣料理は、すぐ僕たちの胃の中に滑り込み、そして、ものの10分で終わってしまった。

Tちゃん「まだ食えますね」
bar「おうよ! 俺なんてこれから定食食えって言われても食えるぞ」

 というわけで、今度はTちゃんが牡蠣フライ、僕が蒸し牡蠣(だってコレも食べたかったんだもん…)。

 そして今度も一つひとつをじっくりと堪能し、

 満腹ではないが、腹8分目といったところだったのでこれにて終了。ちょっと腹を残した方が、また食いたいって思えるからね。っつーわけで、愛する奥様のためのお土産に剥き牡蠣を買って出発することとした。

坂越

 1時間も待たされて牡蠣三昧に舌鼓を打った僕たちは、坂越の町並みを見学するために出発。という間もなく、すぐに現われたのは、坂越浦会所跡。

ako-kankou.jp

 これは、行政や商業などの事務をとるための村会所として天保2(1831)年に建築。また、会所(お役所)であると同時に、赤穂藩の茶屋としての役割も持っており、2階に藩主専用の部屋「観海桜」が設けられているのが特徴。今回は時間の都合もあって、中まで見ることはできなかったのだが、なんせ無料。もし行かれる機会があったら、是非中も覗いてみてください。

 会所跡前の信号を曲がると、そこは景観形成地区に指定された、廻船業で栄えた港町として情緒ある町並み。左右には今も現役で使われている昔ながらの「平入り」と呼ばれる家屋が立ち並び、そんな中ひょっこりプラモデル屋さんもあったりする。

 きちんと整備し、古き佳き時代の文化を残そうという姿勢が感じられてよかったなぁ。たまに家からボールを抱えた女の子が出てきて、道で遊んでたりする日常感がよかった。

(つづく)