rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

播州|3.赤穂

赤穂城

 坂越からすっかり交通量が激増したR250へ一旦戻り、塩田で有名な千種川を越えて標識にしたがって進むと、ものの20分ほどで見えてきました赤穂城

 赤穂といえば、坂越の町並みも有名だが、全国区なのは「塩」と「討ち入り」。赤穂城址と、それに隣接する大石神社を訪れるべくやってきた。

 車もテキトーに路駐してるし、世界文化遺産である姫路城と比べると何から何までテキトー。しかし、常識派として名高い僕とTちゃんは、奥にあったお店横の無料駐車場の片隅にバイクを止め、いざ! 参ろうぞ!!!

 と意気込むほどではなく、ここ赤穂城は「城址」。つまり、歴史博物館の近くに本丸跡があり、天守台は残っているらしいが天守閣などの遺構はなく、お堀と石垣も櫓も昭和30年代に復元されたもの。大手門から中に入ると、あまりのだだっぴろさに脱力感全開になることうけあい。

長屋門

 ただ大手門からそのまま進むと、少しだけ江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚に一瞬陥ってしまう。近藤なんとかさんの長屋跡と道向かいに、大石邸長屋門が遺されているからだ。

「この門は、浅野家筆頭家老・大石内蔵助の一家三代が57年にわたり住んでいた大石屋敷の正面門長屋である。門口約26.8メートル、奥行き約4.8メートルの建物で、屋根瓦には双ツ巴の大石家の家紋がついており、元禄の昔に思いを馳せ、内蔵助の偉業を偲ぶ唯一の建物となっている。かつては内蔵助と主税の親子が朝夕出入りし、また元禄14年3月主君の刃傷による江戸の悲報を伝える早打ちがたたいたのもこの門である…」云々と看板には書かれている。

 赤穂浪士による吉良邸討ち入りについては、ここでは特に書く必要もないだろう。

Tちゃん「赤穂義士ですね…」
bar「俺の知り合いには『赤穂浪士の話は大嫌い』ってヤツもいるけどね」
Tちゃん「まぁ個人の自由ですから」
bar「まぁね」
Tちゃん「好き嫌いとか良いことか悪いこととか、そういったことを抜きにして受け止めなくちゃならない事実ですからね」
bar「それは言える。今でいったら討ち入る直前なんて『武器集合罪』だからね」
Tちゃん「そんな罪があるんですか?!」
bar「知らな~い」
Tちゃん「でも主君のために約2年間も自重し仇討ちの本懐を遂げた人間たちがいたという事実を受け止めるべきだろうなとは思いますね」
bar「そーなの?」
Tちゃん「考えてもみてくださいよ。僕もそうですが、とかく今は何でもかんでも、すぐにスイッチ一つで思い通りにできる世の中です。『0』や『1』では表せない「義」というものだけに約2年間を費やし、そして死んでいった人たちがいるということです。『義』といえば、現代の僕たちなら友人相手だったり、たまに仕事関係でもごく稀にあったり、要するに『生活の一部』であることが多いんですが、赤穂浪士たちにとっては『人生』そのもの。命をかけた『義』に生きた男たちがいたことに変わりはないんです」
bar「Tちゃん、今日はなんだか、ア、アツいよ…」

大石神社

 Tちゃんの歴史への情熱に耳を傾けながら案内板に沿って進むと、そこには大石神社。その名のとおり、吉良邸討ち入りの首領・大石内蔵助を奉っている神社だ。

 参道の左右には、大石内蔵助を筆頭にした「正門隊」(右側)と、内蔵助の長男・大石主税を筆頭にした「裏門隊」(左側)に分かれて石像が並べられている。

 さらに境内に向かって歩くと、「浅野家江戸屋敷にあった船石」(写真左上)とか、「国歌『君が代』に歌われているさざれ石」なんてのを見ることができ、その先には大石神社の本殿。

bar「ピカピカやん」
Tちゃん「確実に、過去10年以内に建て替えられたんでしょう」
bar「古けりゃいいってわけでもないけど、新しすぎるってのも…」
Tちゃん「……」

 返事がない…。気になって横を見ると、

bar「ホントに信心深いねぇ…」
Tちゃん「ええ。僕の猥雑で汚れきった日常生活での心の垢を落とさねば…」
bar「霊付きエロビデオ見てる垢だね!」

































(=゚ω゚)つ)゚∀゚)グァ

エピローグ

 そんなこんなで午後3時半。僕たちはそろそろ大阪に帰るべく駐車場に向かった。

 僕たちは元来た道をR250まで戻り、相生市内からすぐにR2へスイッチして、そのまま太子龍野バイパス~姫路バイパスへ。帰路1回目の休憩ポイントは、姫路SA。

 お次は姫路からいくらも離れていない明石PAで早くも休憩。ここで僕たちは最後の休憩場所ということもあり、本日の活動について反省会を行った。

Tちゃん「あの、大石神社の参道にあった石像なんですが」
bar「ふむ」
Tちゃん「気づいてました? 一つひとつ見ていると、石像を寄贈した方の名前って、義士たちと同じ苗字の方がほとんどでした」
bar「あ。そうだったっけ」
Tちゃん「おそらく子孫の方々なんでしょう。ここでも『義』に生きてますな…」
bar「それは『義』ではなくて『供養』なのでは……」
Tちゃん「まあまあ」
bar「ま、確かに、相手が石像だけに……」




































Tちゃん「カタいことを言ってはいけません!」

 キタ━━━━ヽ(´д`*)ノ━━━━!!!!

(おしまい)