rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

信州|6.北アルプスパノラマライン~高遠城址

県道33・31号線~R147

 先ほどの書いたように白馬村から小川村に入っても県道33号線は続きます。ツーリングマップルによれば「R148渋滞時の抜け道」。車もいるけどGWを考えたら信じられないくらい少なくて、路面もよくて快走。

 オリンピック道路を越えると名前は31号線になる。またまたツーリングマップルによると「爽快なワインディング。オーバースピードに注意」とあるくらいなので、さっきまでの33号線よりも走りやすい。

 白馬ばっかり見えていた道を走りどおしだったせいか、こういうフツーの道がこれまた新鮮だなと思ってたら、

 やっぱり見えた。

 県道31号線を大町まで走ると、街中近くでR147に一旦入ります。

 白馬を出て次に目指していたのは北アルプスパノラマライン。「北アルプス」を「パノラマ」で見られる「ライン」という名前もさることながら、「高瀬川沿いの開けた気持ちのいいルート。R147よりおすすめ」、「白馬へのメインルート」、「大町~松本の短絡路。信号少なく流れもよい」などとツーリングマップルに書かれてると走りたくなるでしょ?

 その北アルプスパノラマラインは県道306号線。大町の町中にあった案内標識に「←306」とあったので曲がってみたら、

 とても「北アルプス」を「パノラマ」できる「ライン」らしからぬ雰囲気。よくよく地図を見るとどーやら間違っていたもよう。ちなみにもう一台迷ってるライダーがいて、勝手に妙な連帯感。

北アルプスパノラマライン

 時計を見ると、12時ジャスト。すぐさまR147に戻り、見えてきたコンビニで昼メシ代わりのおにぎりとお茶を平らげたら、やがて見えてきた本当の306号線。これが北アルプスパノラマラインだ。

 大町から豊科にある有名な大王わさび農園あたりまで、ほんとに信号数個。右に北アルプス、左に高瀬川の長閑な景色を堪能できました。

 と、ここまではいいのだが、ここから先はどこに行くのかさっぱり考えてなかったので、見えてきたコンビニにまた入って、ツーリングマップルを見ながら一人作戦会議。

高遠城

 ここまで白馬(北アルプス)を堪能してきたんだから、次はちょっと路線を変えて、今まで行きたくてもなかなか足が届かなかったところに行ってみよう…と思いながらページをめくっていると、高遠城址が目に入った。

 高遠城とは我が主君・武田勝頼公も城代を任されたことのある名城で、織田軍による武田領侵攻の際には、勝頼公の弟・仁科五郎盛信公が徹底抗戦しほぼ全滅したこともでも有名なお城である。

 わさび農園あたりでは強烈な渋滞に巻き込まれつつも安曇野ICからなんとか長野道に乗り、松本、岡谷を経由して中央道へ。

 昨日はまったくといっていいほどなかった風がびゅんびゅんに吹きまくっている中央道を伊那ICで下りたらR361へ。高遠城は桜の名所としても有名なのだが、さすがにこの時期はもう桜も終わっているから渋滞はないだろうとの読みどおり、R361はすこぶる快調。ICを下りてから30分ほどで高遠城址に到着でござる。

 案内標識にしたがって細い道をうねうねと上っていくと、「大手門」という看板と駐車場(車500円、バイク200円)。すでに5台ほどのバイクが止まってました。

 大手門というと普通は城の正面にあたるところなんですが、ここが大手門になったのは江戸時代の高遠藩時代で、勝頼公や盛信公の時代にはこちらは搦手門(裏側)として機能していたと言われております。

 まずは堀に渡された橋を渡るのですが、ここは堀や土塁などの遺構が比較的良好に残ってます。

 橋を渡ったところは二の丸跡。本丸に次いで重要視された場所。

(けっこうな広さの二の丸は現在では桜が所狭しと植えられている)

(本丸跡に入るところにある「問屋門」)

 そして本丸跡に入ると、小さな案内板がありました。

 盛信公のことがチラッと触れられていることに少し安心しました。そして少し進むと、今度は盛信公のことが大々的に説明されてました。

 5万の軍勢にわずか3千の手勢は、まさに多勢に無勢。それでも織田軍の侵攻に戦わずして自落していった諸城の中で、盛信公は武田武士の魂を唯一見せてくれたのです。

 甲斐に築城中の新府城が完成するまでのせめて1か月でも高遠城が持ちこたえてくれたら、ひょっとしたら歴史は変わっていたかもしれない。それでも織田軍はわずか1日で高遠城を屠り去り、そのまま勝頼公は滅んでしまった……。

 信頼する盛信公の守る高遠城がほぼ全滅で落城したという知らせを聞いた勝頼公の落胆ぶりを想像すれば、涙なくして語れるだろうか。

 こちらは本丸跡にある新城神社新城神社とは、

 この高遠藩内藤氏7代藩主の頼寧は名君としても知られ、盛信公の霊を迎えて崇拝したというところあたりは誠に神妙である。

 この日は風が強くて、さっきから風に吹かれて何かが木々からばらまかれるように散っていたのだが、服に付いたそれをつまんで見てみたら、桜の咲いた跡でした。

本日の寝床

 駐車場に戻ってしばし管理人のおっちゃんと話をしつつ、次なる目的地を決めねばならぬボクは再びツーリングマップルを開いて作戦会議。

 時間はまもなく3時。3時といえば「おやつ」。じゃなくて、寝床探しである。高遠城址からほど近いところにもキャンプ場はあるようだが、経路も含めどーも気が進まない。それならいっそのこと、前回の信州ツーでお世話になった御座松キャンプ場にするのも悪くない。

(つづく)