rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

信州|5.白馬村

大出の吊橋

 一旦キャンプ場を出て管理棟に行き、キャンプ場使用の札を返したら、再びR148へ。

 昨日(平日)とは違い、今日と明日はGW最後の週末。どこに行っても混んでるだろうと覚悟を決め、まずは「大出の吊橋」というところを目指すことに。ツーリングマップルによると「白馬三山の絶景が眼前に」。行かねばなるまい。

 白馬の町は小さい。R148を少し走るとR406が出ているのでそこを右折。あとは数か所しかない「吊り橋コッチ→」みたいな看板さえ見失わなければ大丈夫。5分ほどで駐車場(無料)に到着。

 すでに10数台の車。さすがGW。駐車場に四郎号を止めたら、あっけないほどすぐそこに「大出の吊橋」。

 一応、「観光資源として整備しよう」という気配は感じられるものの、止まっていた車のわりには人じたいがあまりおらず、静かに眺めることができました。

 うむぅ……やはり絵になる眺めだな。

(タイトル「清流と新緑と白馬」)

 駐車場に戻り、次はどこに行こうかなーとツーリングマップルを見ていると、どこからかライダー風のおっちゃんがやってきてご挨拶。

おっちゃん「おはようございます」
bar「あ。おはようございます」
おっちゃん「吊り橋はもう見られました?」
bar「はい。いい眺めでした」
おっちゃん「私も見終わって、ちょっとうろうろしてました」
bar「あ、ひょっとしてハヤブサの……」

 近くに止まっている青いハヤブサに目をやる。

おっちゃん「ええ。ところでこれからどちらに」
bar「まだ決めてないんですよね」
おっちゃん「それなら先ほどボクは見てきたんですが、野平はいかがです?」
bar「野平?」

 ボクが開いていたツーリングマップルに目をやると、おっちゃんも覗きこむ。少し指先を宙で泳がせていたが、あココです、と指を止めた。よく見てみると、確かに「野平」という集落の名前が印刷されている。

おっちゃん「白馬の有名なビュースポットみたいですよ」
bar「へ~!」
おっちゃん「高価そうなカメラを持った人たちがたくさんいましたから」

 そこまで言われれば行かねばなるまい。おっちゃんにお礼を言って、早速出発だ。と勇躍四郎号に乗って出たのはいいのだが、ふと脇道をみるとそこからも白馬がドドーンと見えるではないか。

野平へ

 この道もまたヨサゲな道やん。

 しかし目指すは野平。地図で見る限りはあっというまに着きそうなほど近いのだがツーリングマップルの「白い道」を進まないとたどり着けなさそうなので、最初から「白い道」を進んで迷ったらシャレにならん。ここは無難にR148からアクセスしよう…と考え直し、戻ることに。

 R148に出てすぐにあった松川橋という橋を渡っている最中、ふと左を見ると、ここからも白馬の壮大な眺めが。とはいえ後続の車もあって片側1車線しかない橋のど真ん中で止まるわけにいかない。橋を渡りきったたもとにスペースがあったのでそこに四郎号を入れ、さっきの道じゃなくてR148を選んで正解だったな…と自画自賛しつつ、しばしこの眺めに見とれておりました。

 どこからでも白馬を眺められる、ここ白馬村。そりゃ上村愛子さんだけじゃなく、次から次へと有望なスキー選手が生まれてくるわけだわ…と妙なところに感心しつつ、先を進むことに。

 R148にあった「野平集落コッチ→」的なちっこーい看板を見逃さなかったボクはその看板にしたがってゆっくりと進む。「ほんまにこの道で合うてんかいな」と思った頃にまた「野平→」みたいな看板が出現するという絶妙なタイミングの道。川を渡ったら途端にヘアピンが連続しつつ一気に標高を上げていき、いやがうえにも期待が高まる。

 松川橋から10分ほど。何かのグラウンドと畑が見えてきたら、さっきのおっちゃんが言うてはったとおり、すんげーカメラを抱えた観光客がいて、みんなボクの背後の方を見ている。四郎号と止めて後ろを振り返ると、

 来てよかった……。思わず泣いちゃいそうだった。

 すると、ちょっと離れたところにいた写真家のグループが話してるのが聞こえてきた。

A「アオニもいいけど、やっぱりこっちもいいよね」
B「アオニはアオニのよさがあるけどね。あの集落の雰囲気とか」
C「わかるわかる~」

 アオニ? それはどうやら地名のようだが…。ツーリングマップルを広げてみても、それらしい地名はない……ん? 野平のすぐ北にある集落が「青鬼」と書かれているが、ここが「アオニ」なのか? 確かにそう読む可能性はある。

 話しかけて確認しようと思ったんだけど、その数名のグループの方々の雰囲気がボクとはそぐわない感じだったので、ここは一発野生の勘で「青鬼」に行ってみようじゃないか。そういえば途中の看板で、「←青鬼 野平→」みたいなのがあったぞ。

 そんなこんなの野平でしたが、結局ボーっと1時間近く眺めてました。

青鬼へ

 青鬼への分岐までの道のりも白馬三昧。

 電線がなければよかったのだが。そして、

 街灯がなければよかったのだが。

(アルプスに育まれた水)

 さっき来た道を戻るように進むとやっぱりあった「←青鬼 野平→」の看板のとおり、青鬼に進む。小さい看板がいくつかあるので注意深く進めば迷うことはないのだろうが、それでも「こっちでええのか?」みたいな道は小さいダムを越えてからはぐんぐん上っていって、いくつめかのカーブを曲がると突然現れる青鬼の集落。そして、

 案内の看板には小さく「Aoni」のローマ字。合っててよかった。ただしここでは車もバイクも駐車場(車500円、バイク100円)に置いて、歩いて散策することに。

 棚田と書かれている方向に進んでいって後ろを振り向くと、

 ここではさすがに現役の集落なのであんまりのんびりしすぎても悪い。少しだけ満喫したら駐車場に戻ることに。

 ここ青鬼(アオニ)からR148へ戻る道も、白馬満喫ルート。

 ここも電線が(以下省略)

 駐車場に戻ったら10時過ぎ。すでに暑い…。冬ジャケは脱いでいるのだが「止まれば暑い、走れば涼しい」という状態。

猿倉荘

 さて…次は……。

 とツーリングマップルを確認し、実は大出の吊橋の次に行こうと思っていた猿倉荘を目指そう。白馬岳をまさに「眼前」にするのだ。

 再びR148に乗って進むと、

 「八方尾根コッチ→」の看板があるので素直に右折し、あとは道なり。白馬岳に向かっているのだから当たり前なのだが、この道も「白馬絶景ロード」。おまけにほとんど車がいないところもいい。

 どんどん進んでいくと、これまた当たり前だが山が近づいてくる。途中で右に折れると、

 ますます車が減っていき、

 道も少しずつ1車線分しかなくなってきて、「ちょっと寒くなってきたな…」と思っていると、

 突然、橋が現れて、またまた絶景。

 このあたりになると見慣れてきて感動の「か」の字も「ん」の字も「ど」の字も「う」の字もなくなりそうなもんだが、そんなことは一切なく、テンション上がりまくってます。冷気とも呼べそうな寒い空気をもろともせずに進むぞ。

 と、細い道をぐいぐい進んで標高を上げていくと、そのうち道の左右に白いものが…

 そうです。

 雪です。もうここでお手上げし、そそくさと冬ジャケをば再装着。そして雪解け水がちょろちょろと流れる道を進んでいくと、現れました猿倉荘。猿倉荘の背後には、今日のボクにとっての主役、「白馬岳」が厳然と聳えてらしゃいます。

 日は照ってますがご覧のとおり正面を見ても、

 右を見ても、左を見ても、

 雪だらけ。そりゃ寒いハズだわ。猿倉荘の裏手からは何組かの山装備の方々がおりてくる。ボクもそのうち見てるだけじゃ我慢できなくなって、登っちゃうんだろうなぁ…。

さらば白馬村

 とりあえず下界までおりようと元来た道を下っていきます。途中小さな川と並行するところがあったのでちょっと休憩。

 この水も白馬からの雪解け水なんだろう。ほんとに清冽としか形容しようがない。

 そして11時半になる頃に下界におりてまたまたR148を南下。

 昨夜、温泉との往復でも曲がったローソンをまた曲がり、県道33号線へ。

 国道だろうが県道だろうが、とにかく白馬がずーっと見えてる白馬村。結局この写真を撮ってからすぐに小川村に入ったので、これが白馬で最後の写真になりました。

 また来るよ。ありがとう白馬村

(つづく)