rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

信楽

 今日こそツーリングだ!

 と意気込んだものの起きたら7時でした……とほほ。軽く萎えながらカーテンを開けてみると、空はど~んより。おまけに路面もし~っとり。自分を奮い立たせながら支度を済ませ、8時前には出発できた。

 ところで、ツーリングらしきものは去年の9月につじことの信州以来。

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 半年以上四郎号と走ってないことになる。体力がもつだろうかという、いくばくかの不安を抱えながらとりあえず高速を北へ。

 し、しかし……。寒い……。

「西日本ではお天気は回復しますが、気温はあまり上がらないでしょう。うふ♪

 と出る前に見たテレビのお天気お姉さんは言っていた。ここは素直に従っておこうと冬ジャケを着ててよかった。メッシュジャケなら軽く逝ってるところだった。

 阪和道~西名阪道~名国(名阪国道)を乗り継ぎ、久しぶりの道の駅・針T.R.S。

 9時前ですでに5~6台が二輪用の駐車スペースにいて、見るとビモータやらドゥカティやら隼やらのグループ。みんな楽しそうに写真を撮り合ったり喋ったりしていた。僕はというと、あまりの寒さにあったかい缶コーヒーを飲みながら、この後どこへ行こうかと休憩所でツーリングマップルを広げる。

 このまま名国を抜けて東名阪に乗り、尾張名古屋で天むすと味噌カツを吐くほど食うのもいいなと思いながらふと見ると、針T.R.Sを中心に南北に走るR369にツーリングマップル「おすすめルート」の薄い紫色がついてるではないか。南は榛原~宇陀を抜けて曽爾高原に向かっていた。今回はR369を北上することに決定。

 針からは「バイパスか?!」と思うほどの出だしから、片側1車線となり、

 やがて、周りにのどかな田園風景が広がって、中央線がなくなり、

 最後には、

 コレ国道? ってな感じなR369だったが、柳生町に出るころには民家の軒先を掠めるがごとくの道幅にもなり、そしたらフツーの田舎道に。

 柳生は興味なし。スルー。

(右手奥に見えるのは柳生中学校。なんかかっちょいい)

 ここでツーリングマップルを取り出して、ルート選定。

 ここ(柳生町)まで来るとR369は西に大きく反れて奈良公園へ。それじゃぁいくらオススメルートだとしてもその後が悲惨になるのが目に見えている。というわけでR369をそのまま直進して県道4号線に入り、一旦R163に出た後、また府道5号線を北上するルートもツーリングマップルでは「おすすめ」になっている。和束町でオススメルートが左右に分かれているので、とりあえずそこまで進むことに。

 人はもちろん車もいない県道4号線を爽快にするするする~っと進んでちょっとすると、すぐにこんなものが。

 えらくご立派な石標。写真の見える側には「従是東奈良縣」。向こう側には「従是西京都府」とあった。

 ここからは京都府か……。ん? まてよ。「県道」4号線と書いてきたけど、ここから「府道」4号線になるのか? ムズかしいことは考えないことにして先を進むこととする。県道4号......ん? 府道だっけ?

 府県道4号線は柳生の里から緩やかに下るように山の中をくぐり、やがて木津川を渡ってR163へ。R163に入るとトラックがぶんぶん走っていた。たまに乗用車がいると思ったらのんびり走ってて、まるで「山梨県内のR20」みたいな風情。

 ここで急遽尿意を催してしまったので、見えたコンビニに避難。「出したら飲む」の法則に従って缶コーヒーを飲んでいると、本日初めての強い陽射しと青空。

(この一瞬だけだったが)

 木津川が見え隠れしつつも並行してR163を西に進み、やがて見えた青看板に従って府道(これは合ってるな......)5号線へ。とりあえず和束まで行って、そこからはまた考えたらいいやくらいに思ってたら、府道5号線の標識の下には「木津信楽線」の文字が。

 そっか。ここから信楽に行けるのか。

 というわけで急遽行き先決定。信楽なら青看板に出てくるだろうから道も楽勝。府道5号線も少しずつ山の中に入っていきつつ、見れば少しずつ茶畑が目につくようになる。そして、道端には「和束茶」「宇治茶」「朝宮茶」なんかの幟も風にひらひら。

 平日の午前中だったからかもしれないが、交通量はほぼないし路面もまずまず。周りはもちろん新緑だらけで目にも優しい。ぼちぼち国道(R307)にぶつかっちゃうかなというところで、 

 あれ? 今進んできたのは、京都府だったから「府道」5号線だったよな......。ということはここから「県道」ってこと?

 人も車もほとんどいない府県道5号線からR307に入ると、さすがは国道。車もわんさか。それもそのはず。そこが信楽の市街地なのである。

 道端はどこを向いても、THEたぬき。

 とりあえず信楽高原鉄道信楽駅へ。

 駅前の大タヌキと一緒に写真を撮ってから、缶コーヒーを飲みながらボーっと駅前を見渡す。

 駅舎は大昔に来たときと変わったような気もするし変わらないような気もする。たまに歩いている観光客のおじいとおばあ数名グループがいるくらいで、客待ちのタクシーも手持ち無沙汰風。

 なにげなくタクシーを見てみる。

 ん?

 タクシーまで、THEたぬき。

 いつまでもこのままいてるわけにもいかん。時刻は11時50分。お昼ごはんでも食べよっかなと思って見渡してもイマイチな風情。駅前を一生懸命掃除してるおっちゃんに聞いてみよっか。

bar「このへんでおいしいご飯食べられるとこ、ありませんか?」
おっちゃん「お昼ごはん?」

 するとすぐ近くにいた駅の売店のおばちゃんも参戦してきた。

おばちゃん「和食? 洋食?」
barちゃん「どっちでもええです」
おっちゃん「洋食の方がええわなぁ。まだ若いんやし」

 どうも僕は若いらしい。おっちゃんとおばちゃんに比べたら、確かにまだまだヒヨっ子だが。

おばちゃん「肉のおいしいところはあるんやけど、今日は休みやからなぁ」
おっちゃん「あぁ、あそこか。残念やなぁ」
おばちゃん「信楽て、食べるところないねん。和食やけど、ウオセン行くか?」

 教えてもらったとおりに駅から3分ほど行ったところにありました、魚仙。

uosen.net

 

 いかにも高そうな割烹の風情。入り口の前に置かれていたメニューをおそるおそる覗き込んでみると......……barちゃん敗れる。ごめんね、おっちゃんおばちゃん。

 気を取り直してR307を進んでいると、突如見えてきました大きな建物。そこが信楽陶舗 大小屋なるところ。すでに数台のバイクと車が駐車場に止まってます。

www.oogoya.co.jp

 なんでここにしたかというと、道沿いの大きな看板に「お土産、食事、体験」とあったんで全部一度で片付くなと。魚仙に敗れ去った心の傷を癒すためには、早く立ち直らなければならない。

 信楽は、もちろん信楽焼き。そして、さっき道端の幟にもあったお茶も有名。店内には、もうそれはそれはピンからキリまでの焼き物がキレイに並んでいる。一個一個全部見てたら時間がなくなりそうだったので、とりあえずお土産をゲット。そして、ご飯おかわり自由のしょうが焼きランチ。

 建物から出てみると、空は相変わらずど~んより。寒さも変わらず。

 さて。

 ここまでR369→府県道4号線→R163→府県道5号線→R307と、ツーリングマップル「オススメルート」のみを乗り継いできた。こうなったらできるだけオススメルートを走ってやろうじゃないかとツーリングマップルを見てみると、目の前のR307を進むと現れてくる大津市へ向かう県道(これは県道でOK!)16号線があるじゃないか。

 ほな、そっちへ......とばかりにR307を北上し、標識に従って県道16号線へ。この道もまた、見事なくらい車がいない! 最初は初めて見る新名神に軽く興奮しながら広い道を進むが、しばらくすると大戸川という川に沿って進むから、気分もいい!(川沿いの道はたいてい気持ちいい)

 

 さて、しばらく気分よく進むとそのうち町並みが見えてきて、車の数も増えてくる。青看板にも「大津」の文字。いよいよ市街地と思ったら、なぜかいつの間にか県道2号線を走っていた。ま、いいや、と進んでいき、京滋バイパスに入る交差点を赤でストップしていると「瀬田の唐橋」の文字。

 瀬田の唐橋はその昔の京都防衛の要衝だった。東から京都に入ろうとすると、陸路なら昔はこの橋しかなかったのだ。敬愛する四郎勝頼公の父上・信玄公も重臣山県昌景への遺言に「明日は瀬田に(我が武田の)旗を立てよ」と言ったといわれるほど。信玄公が志半ばで果たせず、我らが四郎勝頼公もたどり着けなかった瀬田の唐橋

 今ではばりばりの市街地なので大量の車の後ろについて進むと「唐橋東詰」という交差点が突如登場。そこから渡るのが、信玄公も勝頼公も見ることができなかった瀬田の唐橋

 信玄、そして四郎勝頼公の時代の唐橋はここよりも北だか南だかにあって、ここに橋を移したのは、にっくき信長なのだが。

 それにしてもやっぱりどんよりした雲は空からいっこうに取れないし、寒さも......。寒くても、スカッと晴れてくれればテンションも上がるんやけど。

 だいぶ早いけど今日は久しぶりだったし、今日はこれにておしまい。