rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

曽爾・青山|2.青山高原

名張

 昼メシをゲットするべく、香落渓を眺めながら県道81号線を進むと、そのうち青蓮寺湖というダムでできた湖を眺めるあたりから雰囲気はフツーになり、

 あとはどこをどう間違ったのかしらんが、なぜか体育館やテニスコートやなんかがわんさかある「名張中央公園」の中を通り、気づいたらR165に合流。

 な~に食おうっかなーと思案しているうちに、名張の町、終了。

 もう昼メシいいや.....と諦めたのはいいが、R165をこのまま直進してもしかたがない。閉まってた小さなカメラ屋さんの店先に四郎号を止めさせてもらい、ツーリングマップルをぺらぺらめくってみる。このままR165を進んでいけば青山高原

 曽爾高原→青山高原いいではないか。

青山高原

 しばらくはR165を我慢して走る。車の量はあんまり減らないものの、それなりの流れで進み、「青山高原→コッチ!」の青看板にしたがって県道512号線へ。

 そこからは青山公園高原線。

 空には、どよ~~~~んとした分厚そうな雲。道じたいは適度なアップダウンとワインディングで気持ちはよかった。

 ちょっと進むと「三角点駐車場」。「三角点」を見ても仕方がないのでスルー。そしてすぐに大きな駐車場があったので止まってみると、そこから少しだけ松坂方面がザーっと見える。ここが一番眺めがいいところだった。荷物を持って、目の前の遊歩道をえっちらおっちら。

 どんより雲に覆われてても、暑さに変わりはない! 汗がだくだく流れてくる頃、目の前にはなにやら展望台めいた広場が。

 いやー、このワクワク感はたまらん。風も適度にひゅーひゅー吹いてきて、汗も一気に乾く。

 いや~。さすがにこの景色は素晴らしい。ふと尾根伝いに目をやると、すげー風車の数。

 ここでベンチに横になり、高原で風に吹かれる40代おっさん。風がホントに心地よすぎる。アヤシゲな雲の中から時折見える青空に目をやっていると、ふ、不覚にも、ね、眠くなっ……ってし、ま……い……つい昼寝してました。

 目が覚めたのは、どこからか聞こえてくる人の話し声。顔だけ起こしてふと見ると、上品そうな年配のご夫婦。時計を見ると、かれこれ1時間近く寝てたことになる。

ダンナ「あ、起こしちゃいましたか。すみません......」

 そこまでご丁寧にご挨拶されたら、無愛想にするわけにもいかん。

bar「いえいえ。ちょっと横になって、高原の風に吹かれてただけです」
奥さん「は?
bar「あ、今のところは軽く流してください......」
奥さん「はぁ......」
ダンナ「ところで、駐車場にあったバイクで?」
bar「はい。一人でのん気に来ちゃいました」
ダンナ「そうでしたかー」
bar「ここに来るのも20数年ぶりなんです」
奥さん「うちも20年ぶりなんですよ」
bar「奇遇ですね」

 そしてお二人がどうしても僕に今晩予定している豪華クルーザーディナーショーにタダで招待したいというので、せっかくのご厚意だからと甘えることにして、僕たちは青山高原を下り、松坂の港から出るお二人所有の豪華クルーザーに乗り込んで出船してみたら、実は「客」は僕一人で、僕はなぜかリンボーダンスや火を噴くビックリショーを間近で見ながら、たらふく高級フランス料理を堪能し、最後に「この縁をなかったことにはしたくないから、我が家の財産を全部もらってくれ」というご夫婦の気持ちに応え、遺産相続の書類にサインをしたのである。

 

 

 







































 という妄想にふけりながら僕はお二人とお別れし、さっき見た風車を間近に見るべく四郎号に乗って向かった。ご夫婦曰く、

「道なりに行けば、風車を間近に見れますよ」

 とのことだった。展望広場から進むと、少しずつ風車が大きくなってきて、もはや恐怖感すら出てくるでかさ。なぜか「ガンダムもこのくらいの大きさなんだろうか」と思ってしまった。

 近くでいると風車の回る音がぶんぶん聞こえて、けっこうな迫力。

 曽爾高原でぼーっとし、青山高原で昼寝までかまし、まぁ十分涼しめたかな。アヤシイ雲と晴れの交互を忙しく繰り返していた青山高原を県道512号線でくだり、

 R165に出たら、あとは道なりに進んで帰路に着くことに。最後にR165から見えた、今年の夏の最後の風景。

 なんでも今年は百数十年ぶりの猛暑だったとか。みなさん、体調にはくれぐれも注意してくださいね!

(おしまい)