rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

曽爾・青山|1.曽爾高原

プロローグ

 仕事がドエライことになってた8月をギリで生き延びた9月1日、久しぶりに四郎号と出かけることにした。Tちゃんと行った琵琶湖以来。

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 前日まで迷いに迷っていたのだが、こんなに暑いんやから涼みたいと思い、高原を目指すことにした。高原とくれば曽爾!

 フツーなら、西名阪→名国上野→R369という高速+極めてわかりやすいコースをチョイスするのであろうが、今回僕がセレクトしたのは京阪奈道(無料区間)→R370→県道16号線→R166→県道28号線→R369→県道81号線というオール下道コース。

 僕は決してMではないのだが、今となってはまるで「私はMです」と告白するようなコースのようにも思える。でも、ずーっと高速っておもしろくない。少々しんどくても高速よりは国道、国道よりは県道、県道よりは(ツーリングマップルの)白い道、なのである。

(R24紀ノ川付近)

 京阪奈道に乗って五條へ。R370に入ると交通量も一気に減って、たまにある信号で止まったりしたらエンジンからの熱気でむんむん暑い(熱い)ながらも、走ってると涼しいんだな。

 途中でなぜかR309の標識が見えたので曲がってしまい、すぐに間違ったことに気づく。なぜなら、R370を東に向かう時の3回に1回はココで間違うからである。

(間違ったのに気づいて止まった所にあった知らんおっさんの銅像

 R370に戻って気を取り直し、暑さに負けずにずんずん進むと、吉野川と併走。川と併走する道は気持ちいい。

 吉野口を過ぎると一気に田舎モード突入。

 県道16号線に入って再び山道っぽい雰囲気。マイナスイオン浴びまくりコースをちんたら走ります。

R370から県道16号線への進入路(直進が県道16号線)

県道16号線

 あんまり天気がいいし車もほとんどいないし、気分もいいので併走する高見川を渡る橋でちょっと寄り道。

 水は、まさに清冽そのもの。

ずいぶん山の中にまで来ちまったもんだ、と思ってしまう絵面

 い、いかん…止まってると汗が……というわけで、とっとと出発。

 最後のニホンオオカミ像、なんてのを横目に見ながら進み、つかの間R166に合流。走ってる車はごくまれ。走ってると思えば地元のオジイの運転する軽トラだったりする。

 すぐに県道28号線へ左折。コレがまたすんごい道でねぇ。

 出だしから秘境ムード。

投石の滝

 「投石の滝←コッチ」という看板をスルーして進むと、再び「投石の滝←コッチ」の看板発見。そこまで言うなら見てやろうじゃないの。看板どおり進むと駐車場の案内があったので止める。

 止まっちゃうとダメだ。汗が噴き出てくる。でも、滝でも見たら気分だけでも涼しくなれるはず!

 水分神社の前を歩き、

 ただセミの鳴き声と川の流れる音だけが聞こえる中を道なりに進んでいくと……進んでいくにつれて他人様のおうちに入っていきそうな勢い......耳を澄ませても滝のような水音も聞こえない。

 結局帰ってからグーグル先生に聞いてみると、滝の画像が出てくる出てくる......どこにあったんだ?

 しかし、ここではわからずすっぱり諦め、走ってないとマジで干からびる! ってんで出発。結局、R369に出るまで、ず~~~~っとこんなカンジでした。路肩の濡れた落ち葉がコワかった~。

曽爾高原

 峠を越えるとすぐにR369。久しぶりにちゃんとした舗装路に巡り合えて感激。

 そうこうしてるうちに、曽爾の目印・鎧岩が見えてきた。

 県道81号線に入ると、この鎧岩がずんずん近づいて裾あたりをかすめるが、「曽爾高原コッチ→」にしたがって進むと「曽爾高原ファームガーデン」。

www.soni-kogen.com

 のハズだったが、残念ながら本日は定休日だったもよう。

 ここで昼メシと思っていたが、しかたない。以前来た時には行かなかったその先にある、本当の曽爾高原に行こうっと。

 ぐいぐい上っていくと、行き止まりっぽくなってて、左が駐車場。右が高原への上り口っぽい。彼方からうっすら記憶が甦ってきた……ような気がする。

駐車場の入り口。オバア一人が番をしている

 駐車場600円なんて書いてるから、バイクごときに600円も取られちゃかなわん。交渉じゃ! と番をしてるおばあちゃんに聞いてみると、バイクは100円ということだったのであっさり商談成立(というのだろうか)。バイクを止めて、いざ曽爾高原へ。木洩れ日の中、坂道をえっちらおっちら上り、

 視界に空が増えてくると、期待が膨み、

 人っ子一人いない中、朽ちたベンチでいい具合に吹いてくる風に身を任せるようにぼーっと草原を眺めてると......マジで暑さを忘れられる。世俗の垢が剥がれ落ちていくようだ。

 高原をすっかり堪能した僕は、止めた四郎号のところに戻ってルートでも確認しよか......と思ってたら、番のオバアがラムネを手に近寄ってくる。

オバア「コレ、飲み。こっち来て休んだらええ」
bar「ほんまに? わーい。行く行くー」

 昔なつかしのビー玉を押して落として飲むタイプのラムネです。喉が渇いてたからちょうどよかった。

 案の定おばあちゃんは話し相手がほしかったようで、いかにこの仕事が大変かという話から家族の話といった身の上話、果てには「ラジオしかないからヒマだ。テレビがほしい」とテレビをねだられるところまで喋るわ喋るわ。そのお礼なのか、「ほしい飲み物があったら自由に飲んでええで」とまで言ってくれたので、お言葉に甘えてもう一本いただいちゃいました♪

 扇風機もぶんぶん回してくれ、おまけに固焼きまでもらっちゃって、いたせり尽くせりのボスピタリティの中、かれこれ1時間は話を聞いていたが、そうばかりもしておれん。名残惜しそうなおばあちゃんに別れを告げ、次なる目標を決めねばならない。

香落渓

 ん~どーするかな。とりあえず食い損ねた昼メシを食いたい! というわけで、このまま県道81号線を北上し、一番近い町の名張に向かうことに。

 県道81号線は、曽爾から北に向かうと香落渓を通る。香落渓とは、ここらの旧火山の活動によって作られた渓谷で、断崖や奇岩が連続して現れている柱状の岸壁がしばらく続くのである。こんな感じの露出した岩が緑の合間から、というか、緑を押しのけるような勢いで見える。

 なかなかの迫力。平日だったからか車もほとんどいなかったし、きょろきょろしながら走ってたら30Km/hとかになっていた。

(つづく)