rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

北陸|5.禄剛崎~能登島

 ゴジラ岩から若干のモヤモヤを引きずったまま、やってきた道の駅 狼煙。

 昔はただの駐車場だったように思うのだが、今はちょっとスペースがあればどこもかしこも道の駅になっとる。

 能登半島の最先端にある灯台へはここから坂道を15分ほど上る。

 ただただ暑い日差しの中、メッシュジャケットとその中に来ていたウインドブレーカーを脱いで出発。気温だけで激しく消耗しているのを感じ、坂道を上り始めてすぐ後悔するが、ここまで来たら不退転の覚悟で臨まねばならん。

 ひーひー言いながら坂道を上りきり、芝生広場を道なりに進むと、

 やっとご対面。

能登半島最先端」の木碑も目に眩しい禄剛崎灯台。被っている帽子は手で抑えていないとあっという間に飛んでいきそうなほど、とにかく風が強い。ただ、目の前の空と海の青さにさっきまでの汗も瞬く間に乾いていった。

 若い女の子3人組が自撮り棒を立ててスマホを備えつけ、ポーズをつけた自分たちの写真を撮ろうとしている。スマホは強い風に何度も倒されてしまい、それでも彼女たちの楽しそうな声がそこらに響いていた。

 道の駅に戻ったところで四郎号の横に滑り込んできた福井ナンバーのZZR1400乗りのオジサマと30分ほど話し込んでしまった。お年はぼくの一回りほど上。70を超えても乗り続けたいもんだとおっしゃっていたのが印象的だった。

 ここからも県道28号線を海沿いにぐるーっと走る。

 それにしても、「珠洲」という地名は美しい。調べてみると、語源としては予想通り「鈴」で、1300年ほど昔の木簡にはすでに「珠洲」の地名が現れていたという。たとえばここが地元だと「出身は珠洲市」と言えるわけで、ちょっと羨ましいなと思ったりしながら快走していた。

 珠洲市街地に入ったら県道28号線もおしまい。再びR249に入り、

 ほどなくしたら見えてくるのは見附島の看板。

 能登半島でここを外すわけにはいかんだろう。北陸住みライダー以外でここをスルーする人はいるのだろうか。

 せっかく潮も引いていて、波もなければ島のすぐ近くまで行こうと思えば行けるのに、この強風……いや、これはもはや暴風なのではないか。風に波も大きく音を立てていて、とてもじゃないが島にまでたどり着けそうな気がしない。新しいところだと今年GWの地震で崩落した跡も多少痛々しいが、久しぶりに眺められただけでもヨシとするか。

 R249も恋路海岸を過ぎると、山に入ったり、

 海際に沿ったり、

 を繰り返しながら穴水市街地を抜け、そこからはほんとに海のキワキワを走る。強い風にそこそこ迫力ある波がたまに高くなり、道にまで届いてきて、前を走るカップルらしきライダーたちも路肩には決して近寄らない安全走行だ。(当然ぼくもだが)

 ふと能登島の方向を見ると、遠目にも立派な橋が見える。

 ちょうどいい位置に道の駅があったので心身のリセットとWC休憩のためピットイン。

 態勢を整えて、いざ能登島へ!

 風が強かったので通行止めも半分くらいは覚悟していたのだが思ったほど暴風でもなく、橋を渡っている最中も特に危険を感じたりするようなことはなかった。ちなみに昔は島の西側にあるこのツインブリッジはなかったので、渡るのは初めてだ。

キャー!のび太さんの…と思ったらHの字になってなかった

 前にも後ろにも車は一台もいなかったから低速でのんびりとツインブリッジを島まで渡り、水族館を目指して進む。

 水族館が近くなると道の駅の看板が見えてくるので、暑さ凌ぎの休憩に道の駅 のとじまへ。快晴の日曜日で、さすがに駐車場はほぼ満車。バイクを止められそうな適度なスペースも見当たらなかったので仕方なく車用に止めさせてもらい、

排気量は両隣の車より大きいので許してください

 クーラーにあたりがてら、お土産を物色することに。

「文明の利器バンザイ」と心で呟きながらクーラーでしっかりと涼み、無事にお土産をゲットして再び外に出ると、目眩がしそうなほどの暑さ。今さら言うのもナンだが、もう9月も下旬のハズなのに。

 そこへ飛び込んできたこの看板。

 「素材の味をご堪能ください」とまで言われたら食わねばなるまい。元々ぼくはソフトクリームを買うことなどほとんどないアマチュアなのだが背に腹は代えられぬ。

ゲットー

 なんてのんきに舐めてたらあっというまに溶けて手やら地面やらにぽたぽた……

お恥ずかしい……

 ぼくももういいトシだから慣れないことはするもんじゃないとわかっている。わかっているのだが、それだけじゃ人生は楽しくないというのも事実だと、かの文豪・ゲーテも言っている。というのはウソだ。

 道の駅にはあんなに車がいたのだが、能登島大橋までの道には車はどこにもおらず。のんびり自分のペースで走れるのだから気楽でいい。

 その昔に渡った能登島大橋は、爽快さから言えば角島大橋にも匹敵する(と思う)。

 本土復帰後は和倉温泉駅前を左折してJR七尾線に沿う県道1号線をひた走り。七尾市街を抜けて城山ICから能越道を氷見北ICまで爆走だ。

(つづく)