プロローグ
会社の後輩から唐突に送られてきた「御嶽山って北アルプスっすか? それとも中央アルプス?」というわけのわからないメール以来すっかり、アルプス見たい見たい病を患ってしまったボクは、ひょんなことで奪取できたお休みを使って、いざ信州へ。
とはいえ、どこからアプローチするかなーと今まで四郎号と行った信州コースを整理してみると、諏訪~白樺湖~霧ヶ峰~浅間~白根~志賀~奥志賀方面にはちょくちょく行っているものの、地図にしてみると、(例:A→Bは2009年9月につじこと行ったコース)
ビーナスライン! 万座・鬼押ハイウェイ! 志賀草津道路! もちろんこれらは信州を代表する絶景ロードでもあるのでチョイスするのは当たり前としても、こう改めて地図を見ると見事にアルプスを避けていると言えなくもないルーティング。とは言いながら、たかだか2日や3日でアルプスを北から南に総ナメにするのは無謀。
結局細かいところはなんも決めないまま、当日きっちり予定通り5時に起床したボクはすぐさまPCで天気予報を最終チェック。前回のツーリングでは当日の朝の天気チェックで諦めることになっただけに、秋の天気には油断も隙もありゃしない。
「初日:晴れ→2日目:晴れ→3日目:曇り」の予報を確認したら、ヨッシャと叫ぶヒマなくそそくさと着替え、とりあえず北アルプスに近づくために飛騨方面へ高速に乗ってLet’s Go。
高速でびゅーん
たいして寒くない中、近畿道を吹田で名神にスイッチし順調に北上。前回のツーリングで桂川PAをスルーしたことで、なぜだか知らんが泉州連合でもないヤツからクレームがくるというネットの威力を感じさせるできごとがあり、今回はおとなしく桂川PAで初休憩し、
お次にとまった養老SAで朝の儀式を厳粛にとりおこない、一宮JCTから東海北陸道を一気にひた走り、郡上八幡を過ぎて道が片側一車線の対面通行になる頃には冬ジャケで来た自分を呪いたくなりそうな気温になり、ついでに眠くなったのでヘルメットの中で「懐かしソング」というお題を自分に課して、桑江知子の「私のハートはストップモーション」や石川ひとみの「まちぶせ」、果てには千春の「長い夜」を熱唱し終わると同時に、ひるがの高原SAに到着。
まだ10時前だっていうのに祝日(体育の日)ということもあり、すごい人出。バイクの数もハンパない。そして、暑すぎる。冬ジャケの中の長袖を一枚脱いで、冬ジャケ+Tシャツといういでたちで出発。
高山
飛騨清見ICからは高山市内へ直通できる中部縦貫道(という名前のバイパス)でビューン。高山市内はどこをどう進んだかさっぱりわからないまま野生の勘だけで進むと、いつのまにやらメインストリートに出てました。
祝日ともなればやっぱり高山レベルの観光地だとすんげー観光客だなと感心していたら、高山祭が近かったみたいでよけい多かったみたいです。今回はパスね。あくまでもアルプスに標準を絞っておる。
奥飛騨温泉郷を抜け
さて、高山からはR158を東進。市街地を抜けると、
ドパパーンと視界が広がる。天気サイコー。しかし、とにかく暑い。
少しずつ山に近づいてます的なR158を平湯温泉まで進んだら、今度は奥飛騨温泉郷を目指すべく、R471へ。
ときどきアルプスが見え隠れする山間へ向かうムード満点の道。そうなると期待に胸が膨らみまくります。どうして奥飛騨温泉郷へ向かうかというと、どう見ても穂高岳に近づいて見るにはそこしかないという野生の勘である。
すると、ホラ。
高まる鼓動。燃える闘志。これで期待しない方が無理でしょ。車も少しずつ増えてきて、途中の栃尾というところからは、「新穂高ロープウェイ→」という看板にしたがって進めばいいのだが、ボクにはどーしても途中で寄っておきたいところがあった。
北アルプス大橋
それは、その昔、ロープウェイ乗り場の近くまで行ったものの結局下から北アルプスを眺めただけで撤収したボクに、(確か木曽福島あたりの)ユースホステルで出会った若者(ボクだって若者だったのだが)がなぜ行かなかったのか?! とボクを激しく責め立てた場所である。
すげー昔の記憶だけを頼りに(ツーリングマップルにも載ってない)、中尾温泉のところをぐいぐいと進んだら、
現れる、とってもステキな橋。
方角としては穂高岳ではない抜戸岳(2812.8m)~笠ヶ岳(2897.5m)~錫杖岳(2168m)だけど立派な雄姿。立派な北アルプスの峰々だ。雲がちょっとかかっててスッキリというわけにはいかなかったけど、でもしばし遠望。ユースホステルでボクに力説した彼は元気なのだろうか?
その奥にあるヘリポートらしき駐車場 からの眺め。もはや「壁」だ。
中尾温泉はちょっと奥志賀高原っぽい雰囲気。足湯もあって昼寝してる兄ちゃんも。ぽかぽか陽気だ。
至るところから噴出してるのは源泉の湯気なのに硫黄の匂いは少ししかしないのもイイ。
さて、ここまで来たら、いよいよ穂高にアタック!
(つづく)