RIDER NOTES

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

琵琶湖|1.近江八幡

 この日も目が覚めたのが8時半。あー。ほんとは早起きして四国に遠征して、吐くまでうどん食ってやろうと思ってたのになぁ。なんてことをぼやいてても始まらない。魔都時代もそーだったぢゃないか。8時や9時に起きても平気でキャンプツーに行ってたぢゃん。と早速気を取り直し、どこ行くアテもないまま出発。

 したのはいいのだが、なぜか四郎号は大阪方面へ。暖かくなればなるほど、暑くなればなるほど、ライダーは北へさすらうのである。

 大嫌いなハズの都会方面。吹田からそのまま名神に乗り、気付けば桂川PA

 名神に乗ったら桂川PAで休憩するのは、泉州連合会則第29条で定められているのである。

 それにしても暑い。ぴーかん。ここんところ、こんな天気に走りにきたことなんかなかったから、よけいにあぢぃ。

 ここでツーリングマップルを見ながら、せめて行き先くらい見当つけとかんと……と、ここで思い出したのが、こないだ見た瀬田の唐橋。んでもって、もう何年も前に当時CB400SFに乗ってたTちゃんと行った琵琶湖西岸ツーリング。

 ってなわけで決定。今回は琵琶湖の東側を北に、行けるトコまで、ずずず~~~~っと行っちゃうぞ。

 なにはともあれ名神を瀬田西ICで下りて、約ひと月ぶりの瀬田の唐橋へ。

 中央から右手に伸びる欄干が瀬田の唐橋。この唐橋の手前を北に曲がれば、県道559号線。

 左手にはもう琵琶湖がばびゅーんと見えるし、遊歩道みたいなのやら、ちょっとした駐車場と公園みたいなのもずーっと整備されてて、雰囲気オッケー! 県道559号線はどーやら「夕照の道」なんて名前がつけられてるみたいですが、道端のいたるところに、「湖岸道路」、「さざなみ街道」なんつー名前のついた看板もある。おまけに、その公園ときたら、テン場に最適な雰囲気むんむん。実際はこんな道沿いにテント張っても、うるさくて寝られないんじゃないかなぁ。

 っつかね、地元・滋賀ナンバーの車の運転の、まぁのんびりしたこと。ずーっと60km/h。おまけに信号もほぼ無しときたもんだ。

 もーね。少々時速が遅くても、信号がなくて空が広くて天気がよかったら爽快。

(左の琵琶湖ばっかり見ちゃってたんで、反対の田園風景をば)

(結局この日のミラーはずっとこんな感じでした)

 いやー。もうこのままどこまで行っちゃうんだ? と思ってたら、「近江八幡コッチ→」って看板が見えたので、すかさず右折。もちろん四郎号は初めての近江八幡でございます。

 有名な話ではありますが、近江八幡豊臣秀吉の甥・秀次が城下町として整備したことから発展した、いわゆる「近江商人」発祥の地。秀次は当初、子のなかった秀吉から関白を譲られ、後継者として目されていたにもかかわらず、秀頼が生まれたことによって立場が微妙に。結局、謀反の疑いをかけられて高野山に幽閉ののちに切腹させられるわけですが、そもそも秀吉ごときサルに興味はない。秀次の話はここまで。

 曲がった道・県道26号線は、「びわ湖よし笛ロード」って名前がついてるみたいでした。ガードレールの横には、早速、「水郷」の名に恥じない雰囲気満点の白鳥川。う~ん。イイ感じ~。

 やがて出てくる「八幡堀」の案内板にしたがって進み、八幡城行きのロープウェイ駅を越えるとすぐに現れてくるのが、「近江八幡」の名前の由来にもなった、「日牟禮(ひむれ)八幡宮」の大門。

 説明板によると、990年頃に建てられたってことなので……1000年の歴史?! そりゃご立派だわ。ま、境内は近所のおばあちゃんたちのグループが溜まって、暑いだのなんだのと騒いでましたが。

八幡宮前になると一気に車が増え、観光客がわんさか)

 日牟禮八幡宮の前を、観光客を轢かないように用心しながらそろ~っと進むと、そこが八幡堀。いろんな旅雑誌やネットでご覧になった方も多いであろう、有名なショットです。

 むか~し来たときに聞いた話ですが、そのもっと昔にはこの堀を埋め立てて公園か何かに再開発しようという計画もあったらしいデス。でもこうやって見ると、その保存運動と活動によってこうやって平日にもかかわらず観光客をたくさん呼べる、誇るべき資源となってるんだから、感謝感謝ですな。

(堀沿いの遊歩道には絵を描いている人多数)

 橋の横っちょの道端に四郎号をとめ(こういう時にバイクは便利だ)、お堀までおりていって日陰を見つけ、腰を下ろしてツーリングマップルでルート確認。

 ふと見ると、JRの近江八幡駅の隣は「安土」駅。そう。前世を、勝頼公とともに天目山で散った武田家の家臣であると固く信じきっている僕にしてみれば、にっくき信長めの最後の本拠地なのでアル。

 うむぅ…。行くべきか行かざるべきか。しかし、「敵を知り己を知らば百戦して危うからず」と孫子の兵法にある。ここはいっちょ敵情視察といってみるか。と思いつつ近江兄弟社高校の前を通り過ぎて赤信号でとまってると、「←水郷めぐり乗り場。すぐそこ」の看板。乗るつもりはないけど、ま、冷やかすくらいはしようか。

 お手洗いだけ借りて(笑)、僕は敵地・安土へと向かったのである。よ~し! 信長を討つぞ!

(つづく)