rider notes

ZR750 D5乗りの残しておきたいログ

信州|1.ビーナスライン

 突如として決まった2泊3日のツーリング。誘ったらすぐに話に乗ってきたつじことの調整で、行き先はすぐさま信州に決まった。しかし、それ以外何も決まってないまま前々日になって、ようやく電話で集合時間(朝8時)と集合場所(東名阪道・亀山PA)のみ決定。

 そして当日。

 朝5時に起きて携帯を確認すると、案の定、つじこからメール。

From:つじこ
Subject:困ったもんや
本文:寝付けない…。このままやとやばいから3時に出て、亀山PAのベンチで2時間ばかし寝ますわ。

 10年前から何も変わっていないのがむしろ安心。

 さて、近畿道から西名阪道を経由して名阪国道を突っ走り、朝7時過ぎに待ち合わせ場所である亀山PAに到着してみると、つじこのGPzを発見。

 しかし、肝心のつじこの姿が見当たらない。いや、「ここらへんにおるやろ…」と思ったところを覗き込んでみると、

 正解。近づいて覗き込んで見ても、まったく起きる気配どころか、「新幹線内でぎゃーぎゃー騒ぐおばはんらを撃退させた」という伝説を持つイビキまで高らかに鳴らせる始末だ。

 おそらく着いてから1時間ほど、寝付けたとしても30分ほどやろうから、もう少し寝かしてやろうと離れたベンチでツーリングマップルを見てると、のっそり起き上がってこっちを見てたのは笑った。久々の再会(3月以来)に握手をしてお互いを称え合い、ルートを軽く確認して出発。

 陽が出るまでは、まぁ予想してたくらいの涼しさだったのだが、名古屋高速を経由して中央道に入る頃、つまり陽が出てからは暑いのなんの。中央道に入って視野にぼちぼち旅情が出始め、恵那山トンネルを越えていよいよ岐阜から長野に入ってすぐの座光寺PAで休憩。

 何やらつじこが突然ポケットから何かを取り出し、耳に当てて、「ふんふんふん♪」などとやってる。

bar「何してんのよ」
つじこ「あ、コレ? ウォークマン。高速乗りながら聞こうと思って」
bar「…10代か!」
つじこ「まさに10代以来」
bar「で、何を聞くのよ」
つじこ「ケツメイシ

 聞くアーティストまで若いつじこであった。

 快晴も快晴の中央道を爽快にバビューンを抜け、

 高速最後の休憩にと諏訪湖SAへ。時刻は12時半。

 お土産物コーナーに置いてあった「ビーナスライン」というタイトルのフリーペーパーをゲットし、昼メシの店に見当をつけながら、とらとらさんからのご機嫌伺いメールに二人で返事したりしつつ、そのまま諏訪ICでようやく下道へ。茅野市内のR20を少しだけ走ってすぐにR152へ。

 ロマンチック街道なる看板もある、とってものんびりした道だったものの、目星をつけたメシ屋がなかなか見つからん。ググりまくり、ようやく見つけたのは「cafe & bar 梅蔵」なるお店。

umezo.net

 R152からほど近いものの、初めて行ってお店じたいを見つけるのは困難でしょうな。道からは見えませんので。僕も駐車場への小さい看板をようやく見つけたからわかったようなもんでして。

 これを書いてる今、ググってみるとけっこう人気のあるお店みたいですね。「休日にはいつも予約で一杯」とか。僕らが行った時は他に1~2組いただけでした。ランチタイムのOSギリギリの時間だったからかな。

(奥はつじこオーダーのピザ、手前は僕のズワイガニときのこのスパ)

 腹も満たされたところで、僕らはR152を北上して白樺湖へ。そこからまずは「信州3大ツーリングルート」と勝手に僕らが決めた一つ目、ビーナスラインがスタート。

 10kmほど走ると、あっという間に見えてきます、白樺湖

 ところがココで異常事態発生!

つじこ「いてててて……あ、あきません」

 見えてきた白樺湖ファミリーランドの駐車場入り口でバイクからおり、地面にへたりこむつじこ。というのも、実は今回のツーリングの数日前から、首に痛みを感じていたらしい。薬でどうにかごまかしながらここまで来たものの、もはや限界に来ているようだ。ここでbarちゃん特製マッサージを施したものの、「早めに宿を決めてちょっと休みたい」というつじこの提案にしたがい、僕も横に寝転んで休みたかったのでビーナスラインの前に宿を決めることに。白樺湖周辺にはホテルやらペンションやらがぎょーさんあったので、その一角に向かい、実際に建物やシチュエーションを吟味してから直接電話。

 そして何軒か電話をかけ、「サワ・ルージュ」に決定。

sawarouge.com

「え!? 今からですか!?」と宿のお兄さんに快諾していただき、部屋の支度もしてもらってすぐに入れた僕らは、部屋に荷物を運び込んでしばし休憩。夕食までまだけっこう時間があったので、せっかくだしビーナスラインを今日のうちに味わっておこうと出発。

 白樺湖を見下ろせるところまでいくと、ちょうど車山方面に夕陽が沈みかけ、山肌のすすきを照らし、ちょっと幻想的。ん~、ロマンチック~ぅ。

 ふと振り返ると、白樺湖を望めるなかなか雄大な景色。

(を撮ってる僕)

 と思ったら、こんな雄大な風景の中、つじこがうっとりした表情で展望台の方へおりていったかと思うと……

 用を足してらっしゃいました。

 晩御飯までまだまだ時間がありそうだったので、美ヶ原まで行ってみよー!

 ビーナスラインは2年前の6月に来て以来。あの時はひたすら曇ってたから、「道は爽快!空はどんより」的どっちつかずのイメージだったんですけど、今回は空もスカッと晴れて、こりゃええわ~。

(三峰展望台から。以前は一面曇り空でこんなふうには見えんかった)

 後半(北部分)になって、つじこの肩が限界に近づきつつあるのを察知した僕は、終点の美ヶ原高原美術館の駐車場に退避~。

(肩をマッサージすると、「イクぅ~」とつじこ)

 なにやらつじこの肩こりばかりを書いておりますが、実は僕の方も四郎号が「ダメダメ」なのだ。というのもセルは回るが回転が勝手にすぐに落ちる。ここまでも何度かあったものの、ハンドルをくねくねしてからスイッチを押すと、ぶるるん! と元気よくかかる。うーむ……

 なんてまったりしてると、陽が沈んでいくなーと思ったら、みるみる霧が。こりゃとっとと退散しとくに如くは無し。そそくさと僕らは支度をして、再びビーナスライン白樺湖に向けて南下。

 すっかり陽も沈み、辺りは真っ暗! でも夜のビーナスラインなんていまだかつて走ったことがなかったから感動。けっこう悦に入っていた。気温は13℃。なかなかサブかったですぞ。冬ジャケでよかった。

 宿に帰ったのは晩ご飯タイムの15分前。まさにジャストオンタイム。部屋で少し休んでから1階のダイニングに行ってみると、もうご飯の支度がセッティングされてました。

 料理にすっかり興奮した僕たち。向かいを見ると、つじこがなにやらポーズを決めてます。

bar「なんなん? そのポーズ」
つじこ「ライスに届きそうで届いてないやろ? これは今までの俺たちの姿や」
bar「して、その心は?」
つじこ「今までの俺らなら、こんな料理には……」
bar「こんな料理には!」
つじこ「手が届きそうで届きませんでした!
bar「うまいっ! おーい、山田くぅ~ん! つじこに座布団10枚ぃ~」

 奥さんは「肉は大きいだけなんですよ~」、「うちの料理で一番おいしいのはご飯なんです~」なんて謙遜してたけど、あんな本格的なコース料理が食べられるなんて。もったいないくらい美味しかったですよ!

 あとは風呂に入ってまたまったりして、ほんでもって1階にお客さんが使えるPCがあったので、明日行く予定の群馬方面の情報をゲットすべく、いろいろとググることに。

 すると、つじこも「んじゃ俺も下(1階)に行って、寝転んどくわ」(1階には談話室みたいな広い部屋もある)とのことだったので、一緒に1階へ。僕が一生懸命にググってると、壁を隔てた談話室から、時折つじこが、

「どう? なんかいいとこ見つかった?」

 返事をすると、そのまま何事もなく静かに時間は流れ、そして突然、

「どう? なかなか見どころ満載やろ?」

 と言ったっきり、また静かに。何をしとるんや……と、ナニゲなく部屋を覗いてみると、

 おっさん、寝てた。

bar「おっさん、おっさん…」
つじこ「ふわぁぇ? …ん?」
bar「ぼちぼち部屋に戻りまっせ」
つじこ「おぅおぅ。…いやぁ、肩めちゃめちゃ楽になったわ~。やっぱ寝転んでるのが一番ええんやな。ところで、いいとこ見つかった?」
bar「いっぱいありすぎてわからんな。結局、行ってみてからや」

 部屋に戻り、僕たちはあーでもないこーでもないと雑談。すると、つじこがこんなことを言い出した。

つじこ「高校のときに、ほんまにおかっぱで牛乳瓶の底みたいなメガネかけたマジメ君がおってさー」
bar「うちにもおった」
つじこ「そいつが修学旅行の時に、パンツに手を入れたまま寝てるところを写真に撮られたらしくてさー」
bar「爆笑やな」
つじこ「修学旅行から帰ったら、先生が撮った写真って廊下にまとめて貼り出されて、その写真の番号を紙に書いて注文したりするやん。その写真も他の写真とおんなじように廊下に貼り出されよってん!」
二人 爆笑

 そんなこんなで疲れきった僕たちは消灯して、ぐっすり夢の中へ……。




































 夜中の1時半に目覚めた僕は、衝撃の事実を見てしまった。「おかっぱで牛乳瓶の底みたいなメガネをかけた、パンツに手を入れて寝るマジメ君」とは、つじこ自身のことだったことを……。

 

 

 






































(パンツに手……)

 きっと自分のことだなんて恥ずかしくて言えなかったんだろうな……。

(つづく)