rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

淡路國攻略戦|4.神ニ参リ景勝地ヲ征服セヨ!

城!…なの?

 「たこロッケ」と「美湯(びゅ~)」絶景風呂というベタネタコンビを堪能した我々大阪連合軍は、再び淡路島の西岸・県道31号を南下する作戦をとった。次なる攻撃目標地点は「イザナギ神社」である。

 右手に海を見ながら、ほぼま~っすぐに伸びた県道31号線を走るのは爽快。梅雨に入ったことなど微塵も感じさせない青空もまたサイコー!

 しばらく進軍すると、小高い丘の上に淡路軍の城を発見。確かツーリングマップルには、こんなところに城があるだなんて書いてなかったぞ~。むむ。やるな淡路軍。こちらの知らぬ間に要塞などを構えおって。

 よく見れば小さな城。このまま無視してもよかったのだが、この先に伏兵をしかけられると城から出てきた軍勢と挟み撃ちになる可能性もある。ここは一つ、敵情を視察する意味でも、この城は屠っておかねば。

 急遽進軍を停止して駐車場に鉄馬を入れ、城を包囲。しかしひと気は全くといっていいほどない。これはかの諸葛亮も用いた「空城の計」なのでは…と司馬懿になった気分で、入り口にある城のいわれを書いたらしき看板を恐る恐る見てみると、

「ここらあたりには砦の一つや二つはあったのではないかと言われています」

「また、豊臣秀吉の淡路侵攻でも激戦があったかもしれません」

 なんですか、このちゅーとはんぱな表現は? そりゃ戦国時代には砦の一つや二つはあっただろうが、そんなことゆーてたら日本全国至る所に城を建てなあかんがな。しかも、そんな城があったかどーかわからんところなのに、受付窓口を見てみると「入場料800円」。

伊奘諾神宮

 ってことで、淡路軍の囮作戦に危うくひっかかりそうになった大阪連合軍は、そのまま南下。一宮町の町なかから県道88号線を山側に入ったところにある、当初の目標地点・イザナギ神宮を目指した。少し道に迷ったものの、県道88号線に入れば道の両脇に石灯篭が等間隔で並んでいる。確か伊勢神宮もそうだったなぁ…なんて思いながら少し進むと、でっかい看板が見える。

 ところでさっきから「イザナギ」神宮と僕は書いているのだが、本当の名前はもちろんカタカナではない。本当は、

 と書くのである。要するに漢字に変換するのはめんどくさいだけだ。

 ここは町の名前(一宮)の由来ともなった淡路國一ノ宮。駐車場からの門は小ぶりだったが、ここはイザナキ、イザナミの二神を祭る大社。境内は約1万5千坪もあったりする。

 天然記念物の夫婦大楠など照葉樹林に覆われ、四季を彩る草木が繁茂する日本最古の社であることは間違いないワケだ。古事記日本書紀によると、国生みに始まるすべての神功を果たしたいざなぎが、子供の天照大御神に国家統治の大業を委譲し、最初に生んだ淡路島・多賀に「幽宮」を構えて余生を過ごしたと記されている。

 それにしても、あぢー。まだお昼にもなってないのに日はすでに高く、僕たちは確実に体内の水分を奪われている。これも淡路軍の作戦なのだろうか…。

慶野松原

 軽い眩暈を感じながらも再び県道31号線に戻り、次なる目標地点・慶野松原へと向かうこととなった。慶野松原は淡路島の誇る名勝で、日本の渚百選にも選ばれている。

 県道31号線は気持ちヨカです。空の青さと海の蒼さはもちろんなのだが、それにもまして重要なのは路面。いくら眺めがよくても、いくら気持ちのいいカーブが続いても、路面がぐちゃぐちゃだったら走る気減退。その点、県道31号線の路面はバッチリ! この道は島の周回路だからアップダウンはほとんどないのはしかたない。しかし決して気張らずに曲がれるカーブの連続! そして思い切りのいいストレート!

 ストレートにしてもカーブにしても、絶えず視界の中にあるのは空と海。挙句にゃ「もう見飽きたよ」と思うほどの空の青さと播磨灘の蒼さだったのである。

 一宮町の町の中では、お決まりのお線香の香り。さすがは日本一のお線香の生産を誇るだけはある。快走路・県道31号線をそのまま南下し、都志を越え、五色町へ。するとほどなくして県道31号線は海際から離れ、代わりに松林。

 ここが慶野松原。でっかい看板でも出てるからすぐにわかる。駐車場と書かれた大きな看板を頼りに右折するが、車は1台もおらず。見ると歩道らしき道がまっすぐに海に向かって伸びているが、残念なことに車止めが…ん? 入れるんじゃねーか? ってことで、そのまま直進。

 目の前にどこまでも青く広がる播磨灘。ビキニのオネエサマはいないかとあたりを見回すが誰もいない。

bar「一人くらいビキニのオネータマがいてもよさげなもんやけどね」
Tちゃん「ホンマですねぇ…よっぽど水温が低いんでしょうか」

 でも、今はまだ6月…。そう。 僕たちは「海開き」の存在を忘れていたのである。

(つづく)