四国|5.県道41~19号線

R56

 小鎌田の浜を出発したのはすっかり朝も落ち着いた9時前。昔は「他の(ライダー)連中よりも早く出発しなきゃ」となんだか慌ただしく片付けることに、それこそ命を賭けていたようなところがあったのだが、あれはいったい何だったのだろうか。

 確かに早く出発すればその分たくさん走ることができるのは事実だが、そもそもツーリングにおいて「慌てる」ことは禁忌。若い頃は目の前のことにしか注視できなかったのだが、今の僕は違う。そう、今の僕はオトナである。

 2日目の本日は今回のツーリング第3目標である四万十川を巡る一日だ。お世話になった久礼の町からすぐR56に乗って、まずは前哨戦ともいえる県道41号~19号線で四万十川にご挨拶しつつ心のボルテージを徐々に上げていこうという魂胆だ。

 すでに一日が始まっている久礼の、それでものんびりとした町の中からR56に出てみると、案の定、車は一台もおらず、どうぞ気分よくお走りくださいませませ状態。ツーリング先の朝の道は間違いなく気持ちいい。

 おまけにR56ったら、ぐいぐい上っていく山道の快走路! 路面がいいのはもちろんだが、やっぱり車がいないのは気分がいい。

 七子峠まで上りきったところで、四万十川の前哨戦である県道41号線にスイッチ。

県道41号線

 この県道41号線もぐんぐん上っていくのだが、やたら路面がきれいなうえ、各所で幅員の拡張工事をやっていたので、もう少ししたら主要な県道になるんじゃないだろうか。

 大野見トンネルを抜けてしばらく行くと、県道19号線へ。

県道19号線~R381

  ここまではろくすっぽ信号のない=ストレスゼロの山間路だったが、県道19号線に入れば本格的に四万十川とご対面だ。

 沈下橋からではないけれど、四万十川と30数年ぶりのご対面。

 途中、農道?みたいな道に迷い込んだりしつつ果敢に進んでいく。

 右に、そして左に四万十川を眺めつつ、時折現れる眼下の沈下橋によそ見をしながらのんびり走る。あまりにのんきすぎて、窪川の町なかではR381に気づかずスルーしてしまい、お遍路姿のおじいやおばあで賑わっていた岩本寺の門前まで行ったところでこりゃオカシイゾと気づき、勘だけでなんとかR381に復帰。

 ここからがいよいよ四万十川満喫ツアーの本格的なスタートだ。

(つづく)