生野からのR312は、すぐそばに流れる円山川と並行してまして、「円山川リバーサイドライン」との看板が所々にありますが、
こ~んな田園の中を走ります。
やがて見えてきました、山の上にある要塞のような石垣。「竹田城コッチ!←」の看板で左折すると、見えます。
この写真だとわかりにくいんですが、山頂に石垣が見えます。進むと、「コッチは下り口だから、山頂に上りたかったらアッチに行け」的な看板があったので、その看板にあった方へ。
道はかなり狭いところもあって、ようするに上りと下りで一方通行にしてるんでしょうな。やがて駐車場も見えてきます。無料なのがうれし~。
駐車場の端っこにバイクを止めて、いざ竹田城址へ!
もちろんではあるが、竹田城に来るのは初めてではないので、ここからの苦難の道のりを知ってはいたのですが、いかんせん以前の記憶は20数年前。つまり、「やたらしんどかった」というような抽象的な言葉だけしか記憶できなかった場合、その経験から何も学べていないのと同じであるということを身を以て体験することになったのである。これだけでもツーレポを書く価値があるというものだ。
行けども、
行けども、
行けども、
あ。おんなじ写真使ってるのバレちゃいました?
だって、あまりのしんどさ&暑さに写真を撮る余裕もなかったんです。この日一番汗をかいたのはココだった! 行けども行けどもま~ったく見えてこないお城……日ごろの運動不足を呪いながらひーひーひーひー……汗がおもろいくらい全身を伝い、もう前を見るのもツラくなってきて……そして5時間くらい上ったんちゃうか…くらいの感覚の後に、見えてきました竹田城の石垣。
それでも竹田城はまだまだボクを許してくれません。大手門のある北千畳と呼ばれるところから三の丸を経由し、武の門、二の丸を経なければなりませぬ。
そうです! もうすぐ絶景と出会えるのです。そして、本丸・天守台に上ったら、日本屈指の絶景なのです!
竹田城は縄張りじたいが虎が伏せているように見えるところからついた別名が虎臥城。眼下の円山川がよく霧に包まれ、それによって「天空の城」、「日本のマチュピチュ」とも呼ばれる日本屈指の山城跡といえますね。ここまで石垣が見事に残ってる城なんてほんと珍しいんじゃなかろうか。
歴史についてはけっこう不明な点が多く、1400年代に但馬国守護・山名宗全によって築城されたとも言われています。毛利氏が中国地方から但馬国へ侵攻を始めると降伏。平和になったと思ったのもつかの間、今度は毛利氏と敵対することになった織田氏から派遣されたサル秀吉との争奪戦に巻き込まれることに。結局サルの弟・秀長の軍門に降った後、関ヶ原の一連の戦いで責任を取らされた最後の城主・赤松広秀が自害を命じられ廃城。なんだか「戦国時代」をそのまんま具現化するような歴史を歩んできたわけです。
他の観光客も、みんな、「あぢー!!!」と口々に言うてましたが、そらそうでっしゃろ。どぴーかんとはいかなくても、やたら薄日が差してきて、それでもボクは山頂に吹いてくる風に一人で悦に入っておりました。
しばし風にびゅーびゅー吹かれながら涼んでから下山開始! しかし駐車場へ戻る下り坂でもフラフラ…。これは単に「疲れ」からきてるような感じのしないフラフラ感……。どのくらい下ってきたのか、あとどのくらい下れば駐車場なのかもさっぱりわからないあたりで、これからお城に上っていこうとしてすれちがった、ご上品な老齢のご夫婦に声をかけられました。
ご夫婦 「まだ、(先は)ありますか?」
マジでどのくらい下ってきたのか、あとどのくらい下れば駐車場なのかもさっぱりわかってなかったんですが、あまりにも感じのいいご夫婦相手に、
「いやぁ、もうフラフラでココがどこかさっぱりわかりませんわ! ワハハハハー!!!」
と正直に言うのもあまりにも気が引けたので、
bar 「た、たぶん……あと…5分……、いや、あと5分弱…くらいッスね…」
ご夫婦 「そうですか。ありがとう」
bar 「いえいえ……」
とずいぶん歯切れの悪い返事になってしまって、ごめんなさい。
ボクの方はボクの方で、ここでクラクラクラ~と激しく眩暈を感じてしまい、「こ、これは…熱中症では…」と初めて身の危険を感じたので、駐車場に戻って自販機にあった500mlのアクエリアスのペットボトルを2本がぶ飲みしました。これでようやく生きた心地。
アクエリアスをがぶがぶ飲みながら地図を確認してみると、R312をちょっと北上すると北近畿豊岡道という高速?があり、それに乗ったら舞鶴道に分岐して帰れちゃうわけだが、それではあまりにも味気ない。R312を和田山まで北上してR427で西脇まで南下し、そこからデカンショ街道(R372)で篠山に向かうことにした。もともと篠山に行こかな…っていうのが目的だったからね。
和田山市街地もさほど混むこともなくR427にスイッチ。遠坂で兵庫県と京都府の府県境を越えてしばらくするまでは人家もありましたが、そのうち「丹波の森街道」なんてシャレた名前も付けられちゃって、山深くなります。
峠を越えて下ってからは、小さな集落をつなぐように進みます。とにかく信号がない!
途中で気まぐれに道の駅が見えてきたので入ってみたものの、ミョーに閑散としてる…。この日は休みでした。
ふと見上げると、
すげー雲……。まぁ行きの播但道ほどの雨はないやろう…と何の根拠もない希望的観測を持ったまま、再びR427を南下。それにしても車がほとんどおらん。
こう見ると、なんだか、「今にも雨が降りそうな雲とおいかけっこ」的に見えますね。西脇市街地はもうすぐです。
(つづく)