志那1から少し走ると琵琶湖博物館(通称:ビワハク)がある。昔はなかったし、存在を知ってから一度は行ってみたいと思っていた。おまけに今日のような日なら訪ねるのにうってつけのはず。
ところが、HPを見ていると、昨年に水槽の一部を破損してしまい、現在もまだ完全には復旧していない(絶賛クラウドファンディング中)。気軽に行ける距離じゃないし、行くなら完全体の展示を見たいので、今回もパス。お早い復旧を祈念しております。
ほどなく見えてくる琵琶湖大橋への交差点もびっくりするくらい空いていて、信号もタイミング良くぬるっと走り抜ける。遠目にもよく目立つ「かねふくめんたいパーク」も一度行ってみたいとは思っているけど、愛する奥様と行くならまだしも、一人でわざわざプリン体を大量摂取する必要もあるまい。琵琶湖沿いなのになぜか「マイアミ」の看板が林立する一帯もサクッと通り過ぎ、いつのまにか「さざなみ街道』に名前を変えた県道559号線を鋭角にグイ〜ッと左手に曲がる。
ひと気のない小さな砂浜を横目に、土の道が緩く蛇行しながら、ずいぶん奥の方まで続いている。ひと気がないのは単なる季節外れだからなのか、廃れてしまっているからなのかはわからない。
砂利まじりの道に導かれるようにそのまま砂浜沿いを辿っていくと、車なら5~6台は止められるであろう駐車場が見えてきた。止まっているのは車1台だったけど、ちょっと安心した。端っこに四郎号を止め、支度をしたら向かってみる。
やってきたのは藤ヶ崎龍神社。
ここはその名のとおり、古来から水を司る龍神様が祀られている龍神社。そして、龍神様のその姿かたちのごとく、ここは琵琶湖畔はおろか近江國でもNo.1と言われるパワースポットとして知られているらしい。
特に内宮は岩の裂け目を利用していて、オトナが一人しゃがんだ体勢でなんとか入れるていどの小さな隙間に、動物除けのための金網の重そうな戸が立てかけてある。中を覗いてみると祠のロウソクに炎がついていて意外と暗くない。写真も撮りたかったけど、鈍感なぼくでもビビッと体の芯に一瞬電気が走ったような気がしたようなしなかったような気もして憚られる気配を感じたので、やめておく。
手を合わせてお詣りだけ済ませて内宮から出てみると、ベンチが1つだけあったので座ってみる。
対岸まで視界を遮るものは一切なく、琵琶湖を一望できる。先に歩いていた二人組の年配の女性たちもいなくなったので、思ったよりも強い風に吹かれて波を立て続ける砂浜と、その向こうの湖を遠慮なくのんびりと眺められる。
時間も考えずに空と水面を眺めるなんて、いつ以来だろう。オトナの一番の贅沢とは、こういう時間を過ごしているときだな。
地元の方々によってキレイに保たれているという境内を後に、再び鉄馬上の人になり、先に進むことにした。
(つづく)