rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

山陰|8.GWの丹後半島

 経ヶ岬灯台からR178を30分も走れば、「伊根浦舟屋群→」と「道の駅 舟屋の里伊根→」の案内が見える県道622号線との分岐がある。どこでもそうだが、道の駅ができまくってるな。

 やがて見えてきた学校(伊根中)の角を曲がれば、昼めしポイントと定めた道の駅へ、

 と思ったら、駐車場に入る手前ですでにすごいことになっていた。

 そりゃそうだ。GWだもんね。ここまでGWをほとんど感じなかったコースをのんきに走ってきたぼくとしては、頭で納得はしつつもややげんなり。

 道の駅で舟屋を眺めながら昼めしを……などという甘い目論見は見事に崩れ去り、ここは素直に諦めて舟屋群を直接目指すことにした。この分だと四郎号の置き場に困り、果てには舟屋すら見られなくなるかもしれない。

 県道622号線に戻り、また見えてきた別の学校(伊根小)の角を曲がれば、そこら一帯が伊根浦。道に溢れかえる観光客の方々の邪魔にならないようなるべく高いギアでエンジンを回さないようにしてそろりそろりと進むと見えるのが七面山の駐車場。舟屋を同じ高さの目線で一望できる駐車場はすっかり有料に生まれ変わってしまったものの、バイクは「協力金」の名目で簡素なブリキの箱に100円を入れればよいのは好感アリ。

 伊根の舟屋群を見渡せるこの駐車場はいい。

 爽やかな潮風と静かに佇む舟屋とやたら鳴きまくるカモメとともに、しばしボーっとできた。風が少しだけ強めだが暑くもなく肌寒くもなく、ちょうどいい気候。

 一服していたら一隻の小さな船がこっちに向かってくる。なんだと思ったら、伊根浦を巡る観光船が帰ってきたのだ。ちょうどぼくがいるところが乗降船場所になっていたようだ。

 乗客たちを降ろし、ちょっと待っていると次に乗ろうとするお客さんがやってくる。

お客さん「乗れますか?」
船頭のおっちゃん「乗れますよー」
お客さん「おいくらですか?」
船頭さん「1000円ね。降りるときにお支払いいただきます」
お客さん「わかりました」
船頭さん「まだお客さんが来るやろうから、出るのはもうちょい待ってもらいます」

 なんてやりとりをしていたところから、券売所とか決まった出航帰航時刻とかはないのか……なんて思って帰って調べてみたら、ちゃんとあった。

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 ぼくもまだ少し時間はあったが、ここは昼めしを優先するついでに久しぶりに伊根浦を歩いてみるとする。

 重伝建であり、年間30万人にもなる観光客を迎えるには、やや手狭に感じる伊根浦。車がすれ違うにはちとキビシイ道幅で、特に観光シーズンは今回のように要所要所に係の方々を置かないととんでもないことになりそう。

 ただその分、手のひらサイズのように把握しやすい利点もあって、舟屋を上手に利用すれば長い時間のんびりできるだろうし、ぼくのようにただチラッと寄ってみるだけでも十分雰囲気は伝わってくる。

観光案内所。2階の食事処は長蛇の列で断念

観光案内所の道向かいにできていた、伊根浦を一望できる公園から

 グーグルマップで調べた何軒かの食事処を巡ってみたものの、どこもものすごい長蛇の列で断念。なんだか諦めてばっかりだな。GWってやつはまったく。

 しかたがないので四郎号を止めた七面山駐車場に戻ってみたら、車も満車、バイクもめちゃくちゃ増えていた。

せめてもの一枚。干してある布団に生活感があってすごくいい

 伊根での昼めしは断念したものの、実はまだチャンスはある。R178をこのまま南下すれば宮津があるのだ。しかし最大の懸念は、宮津は伊根とは段違いレベル・日本三景天橋立を抱える街だということだ。当然ながら人出も伊根どころではない。

 一抹の不安を抱えたぼくの心中を察したかのようなどんよりとした曇り空の中とはいえ、ホントに海際を走れるR178をさほど混むことなくすらすらと走っていけば宮津の街なかに着くのだが、

 当たり前だが橋立が近づいてくればくるほど車と人が山盛りになって、道端にあるお店というお店に人がめちゃくちゃ並んでいる。

 いかりや長介じゃなくてもダメだこりゃと言いたくなるレベルだったので宮津もパスし、すぐに京都縦貫道に乗って帰ることとする。

 綾部JCT舞鶴若狭自動車道に乗り継いだあたりで異様に空腹を感じ始め、福知山を越えたらもうこりゃいかんとなったので、見えてきた大きめの西紀SAへ。

 SAでおいしいものを食べようとするのは虫がよすぎる話だが、ここは背に腹は代えられん。思ったほど混んでいないフードコートで早く食える山菜そば。

意外と美味い

 西宮や宝塚である程度の渋滞を覚悟していたものの、中国道ではまだ帰路渋滞が発生する時間帯ではなく、GW真っ最中ということもあって、拍子抜けするほど渋滞なく近畿道~阪和道に入り、またもや最寄りのSAで最後のご休憩。

 西紀SAからノンストップだったので疲れたことは疲れたが、家までもつかどうかギリのガソリン以外、何の憂いもなくここまで帰られたのはヨシとするか。

(おしまい)