rider notes

ZR750 D5乗りの残しておきたいログ

遠州灘|4.潮見坂の紳士

 本来の遠州灘走破を一旦外れるのだが、やや不足気味の「何か」を補給するため、今日のスタートは浜名湖をぐるーっと回ってみることにする。スリッパをシューズに履き替えることはもちろん忘れず、冬ジャケ&オーバーパンツの上下防寒対策もバッチリでホテルを出発。

 四郎号にまたがると、もう一刻でも早く青い風景を見たくてしかたがない。とりあえずすぐにそれが叶いそうなところは……とまずは競艇場があるところに向かってみると、早速浜名湖のお出迎え。

 浜名湖にいくつも架かる橋でやっぱり外せないのは浜名湖大橋。小さな橋を二本ほど渡って県道323号線に入り、渚園を越えたら浜名湖大橋に入る直前にパーキングがある。この景色、たまらん。

 海の中を貫いているような景色が堪能できる浜名湖大橋では、後ろから車が来ていなかったこともあって結構ゆっくり走って満喫できた。途中、側道ではサイクリストが足を止めて写真を撮っていた。

 そんな浜名湖大橋を渡り終えてガーデンパークの横をぐるっと通り抜けるくらいまでは湖畔を通る県道323号線だが、湖畔を辿る自転車道の県道379号線と違い、その後はひたすら田舎道になる。次なる目的地は舘山寺温泉にある志ぶき橋。

 昨夜検索していて偶然見つけたのだが、橋の上からだと遮るものが何一つない浜名湖を見渡せるともっぱらの高評価。

確かに

 ここまでただひたすら青だけとなると開放感も格別。

 ところで、ここは有名な舘山寺温泉。昨夜泊まったホテルには大浴場がなかったから、「朝風呂からでかい湯船の温泉」という人生至福ランキングトップ10には入るであろう暴挙に出たかったのだが、さすがに朝8時ではそれも叶わぬ。

 その後は県道320号線で奥琵琶湖の静かな湖面に心を落ち着けたら、

 セブンイレブンを左に折れてR362へ入り、東名の下をくぐった都筑あたりで県道310号線を経由する。このあたりは猪鼻湖と呼ばれるようだ。いかにも湖畔に似つかわしい松並木もあった。

 そこからR301に入るともう湖西地方。天竜浜名湖線あたりでオレンジロードに入ってみると、見事な河津桜がまさに咲き乱れていた。

 信州でアルプスを見たときにも全く同じことを感じるのだが、これだけ圧倒的な姿を見せられると「すげー」という気持ちと「なんか、ごめんなさい」という気持ちが交錯する。

 その後は、新幹線の下をくぐり、R1とかR23とかの案内板が見えると浜名湖周遊もおしまい。ちなみに「淡路島一周=アワイチ」「琵琶湖一周=ビワイチ」の法則に則れば、「浜名湖一周」は「ハマイチ」ということになるのだがどうなのだろう。「○○イチ」は関西人特有の呼び名なのか。はたまた全国共通なのか。人生には疑問が尽きない。

 さて、(ほぼ)ハマイチを達成して充電できたところで一瞬だけR1バイパスに乗り、トンネルをくぐったら見えてくるのは道の駅潮見坂。ここは遠州灘、つまり海と空だけを眺めながら足湯に浸れるとのことだった。

今はこのへん(左下あたり)

 時刻は頃合いもいい9時半。そそくさと四郎号を駐輪場に止め、海側に向かって歩いていくと足湯発見。

 あれ? 誰もいない。あぁ朝早いからまだ誰も来てないのね……と思って看板を見てみると「利用時間10時~」。

 ハマイチで時間も使っちゃったし伊良湖岬までの遠州灘後半戦も待ち構えているので、しかたがないが諦めることとする。

眼の前は確かに水平線も見事な遠州灘

 お土産を物色して四郎号に戻ってみると、横に旅仕様激シブのカワサキ250Aと白髪のジェントルマン。おはようございますーと挨拶を交わす。

紳士「どちらから……大阪ですか!」
bar「はい」
紳士「浜名湖ですか」
bar「はい。昨日御前崎から走ってきて、今日は朝から浜名湖を周ってきました」
紳士「これからどちらまで?」
bar「伊良湖岬まで行くつもりです」
紳士「そうですか。私、実はこういう者でして…」

 紳士が懐からおもむろに差し出したのはwebサイトの名刺だった。

solo-tourist.com

紳士「写真も載せているので、是非パソコンから見ていただきたい」
bar「ぼくも実はブログをやってるんですが、こういう名刺は作ってないんです」
紳士「また是非ご連絡ください。拝見したいです」

 穏やかなジェントルマンとお互いの安全を祈ってここでお別れ。ぼくは遠州灘走破の後半戦へと臨むのであった。

(つづく)