プロローグ
10月の後半からすったもんだありつつも愛する奥様の奮闘でなんとか凌いだ11月初旬。たまたま休みがゲットできたので慌てて天気をチェックしてみた。「晴れのち曇り」、「曇りのち晴れ」、挙句の果てには「曇りのち晴れときどき雨」などともはや予報とはいえないレベルのものもある中、雨が降らないのはもちろん、確実に曇りよりは晴れの時間が圧倒的に長いであろう方面は瀬戸内と判断。それなら四国でなかなか手の出しにくい愛媛県の南予と呼ばれるあたりに行くこととする。全国旅行支援なるお得なプランが予約できたこともあり、宿で一泊なのだが出発。
大阪から四国に上陸するには明石大橋周りとフェリーのどちらかしかないが、和泉國からすれば和歌山港からの南海フェリー一択。
5時半発の便もチラッと頭をよぎったのだが、ここは無難に8:25発に乗るべく出発。ところが、念のためと思って乗った高速を下りてからが大渋滞。ちょうど通勤時間帯だったことが災いしたのだが、なんとか8時前にはターミナルに到着し、そそくさとチケットを購入。四郎号の他にバイクは全部で5台だった。
無事にフェリーに乗り込み、雑魚寝スペースで1時間ほど爆睡をかますなど気ままに過ごす。あと30分もするうちに到着だなと思って甲板に出てみると、すでに四国は見えていた。
前に四国に行ったのはいつだっけ……と思ってブログを見返してみると、ちょうど2年前。
月日の経つのは早いもんだなぁ……などと感慨に耽っていたらあっという間に下船。
3年ぶりの四国上陸
愛媛・南予地方を目指すには徳島道から松山道を爆走する以外に手はない。フェリー乗り場からまっすぐ進むとすぐに見えてくるGSで給油を済ませつつ、おいちゃんに話を聞いてみると、港から海側に新しいICができて徳島道に直接入れるということだったので、その徳島沖洲という新しいICからスタート。
山深い徳島あたりはまだ快晴だったものの、愛媛に入ったあたりからなんだか妙にど~んよりとした雲が行く手に。
いや~な予感と晴れてくるはずという希望的観測が相半ばする中、落ち着くために石鎚山SAに。
ここらになってちょっと晴れ間が見えてきてほっと一安心。この後、桜三里を越えて松山を過ぎ、目的の伊予ICを下りたあたりは多少雲はかかっているものの晴れ。やはりこっちにして正解だったな。
ガソリンがかなり乏しくなった中、R56からR378にスイッチする角にあったGSを横目に、「R378も3桁とはいえ国道に間違いないんだし、途中に小さな町もあるんだからGSの一軒や二軒はあるだろう」と悠々と進行。
「映える」駅
空の面積も大きくなり、右手に海を見ながら走る夕やけこやけラインは気分上々。しかしながらGSが一軒も見つからない。
リザーブに切り替えるか否かを迷っているうちに、第一目標地点の下灘駅に到着。
平日だったにも関わらず、駅前の駐車場はレンタカーをはじめ、まさに老若男女問わず観光客ですでにいっぱい。
下灘駅なんて昔は見たことも聞いたこともなかった(鉄オタ界隈では有名だったらしい)のだが、青春18きっぷのポスターに使われたことで一気に有名になったうえ、昨今の「映えるブーム」だ。つまり、僕のような「老」は「昔は知らなかった」から来るのであり、「若」は「映える」から来るという構図だな。ある意味では僕も四郎号が映える写真なら撮りたいと思ってるわけだから、今の若い子たちの「映える」ブームをとやかく言うつもりはない。
ふと気になったので、時刻表はどうなってるんだろう……と思って見てみると、こんな感じ。まぁこういった地方中の地方ではよくある時刻表。
他にも写真を撮ったりベンチに座ってボーッと海を眺めたりしてたら13:45発の電車がやってきて、それはそれで貴重なのだが、どこかの小学生たちがわらわら下りてきたのに驚いて(田舎は老人しかいないという先入観)見ていたら電車の写真を撮るのを忘れててちょっともったいなかったかな。ふと気づくと、なんだかんだで1時間近く過ごしてしまった。
とりあえずガソリンを入れねば。
(つづく)