
今年も正倉院展の季節が到来した。思い出すのは昨年の正倉院展。


思い返せば去年の正倉院展で積年の願望を見事果たしたことにより、それまでの博物館熱が堰を切ったように溢れかえってしまい、その後(今年)の国宝展シリーズにどっぷり浸かった*1のは記憶に新しい。
フジエダハウスでモーニング

去年もそうだったように、正倉院展の日のモーニングはフジエダハウス一択である。しかも、今年は自分一人なのをいいことに、一番高いメニューにして、パンのおかわりを2回もしてしまうという暴挙に出てしまった。


というのも、正倉院展のチケットをお昼前にしてしまった関係で、もはや昼ごはんを食べる時間はないだろう、それなら朝のうちに(文字どおり)腹パンになるまで食ってやれという「食いだめ」システムを企図していた。唯一の誤算は、このモーニングだけで(推定)900Kcalを摂取してしまったことくらいだが、それもまぁ想定内といえば想定内。それにしても、次から次へとお客さんもやってきて、相変わらずすごい人気だぞフジエダハウス。
奈良公園到着
モーニングを洒落込んでいるうちに渋滞の解消したR24をスイスイ進み、フジエダハウスから30分ほどで奈良公園近くの駐車場に到着。奈良博入場の1時間半も前(明らかにやりすぎ)だ。ベンチらしき大きな石に腰かけて猿沢池をボーッと眺めたり、興福寺境内の砂利を踏みしめながら南円堂のほうに歩いてみたりしながら、のんびりと奈良公園へ。


No! No! とキャーキャー言いながら鹿に追いかけ回されているインバウンドの群れを横目に、「ふっ……神の使徒たる鹿さまの襲撃に日ノ本の神髄を見るがよい」と心のなかで呟きながら華麗な身のこなしでぎゅいぎゅいと進んでいく。奈良博が近づいてきたところで正倉院展のポスターが見えてくれば、テンションもアップするというものだ。


それでもまだまだ時間が有り余っていたので、正倉院展特設売店(お土産物屋さん)「天平」の店内を冷やかしつつ外に出てふと見ると、お弁当が販売されている。

そういや去年も売ってたなと思い出すと同時に、なにも朝からバカみたいに食べなくても、このお弁当を買って芝生の上でピクニックよろしくお昼ごはんにできるではないか。来年の課題だ。
ベンチに腰かけて若草山を背景にした道行く修学旅行生たちの列をぼーっと眺めていたら、背中のリュックを妙に強く押してくるヤカラがいるではないか。なんやねんと思って振り返ってみると角を切られたオスの鹿さんがじっとぼくを睨みつけている(ように見えた)。しばしメンチの切り合いをしていたらまたゆっくり頭突き。やんのかコラとメンチを切ってもまた頭突き。鹿様と張り合うわけにはいかぬため、すごすごと退散する*2。
そうこうしているうちに予約していた時刻の列ができていたので参列。

予約の受けすぎなのでは……と思えるほどの長い行列に思うのは、みんな正倉院展が好きなんだなあということだ。だいたいが(たぶん)ぼくよりも年かさの老年(もしくはそのご夫婦)なのだが、まだ学生さんなのではと思えるほどのうら若き女性も中には一人で来ていたりして、正倉院展レベルになるとまさに老若男女みんなが注目するんだなぁ。髪の毛が紫色のファンキーなファッションのお姉さんもお一人様で来ていて、人は見かけで判断したらダメだなと痛感したりしていた。
長蛇の列じたいは時刻がやってくるとスルスル……と進むからあら不思議。ロビーで今年も音声ガイドを拝借して、いざゆかん。
(つづく)