rider notes

BC-ZR750C乗りの残しておきたいログ

熊野|2.御礼詣で

 蛇行する天の川~十津川に沿うように緩やかにうねうねと伸びるR168は、半分が路面状態もすこぶる良好な快走路に付け替えられ、気持ちよく走れる。

 R168ではあまりないGSだが、いいタイミングでENEOSが見えたので給油。

いかにもヒマそうなおっちゃん一人だった

 山の中に分け入るにしたがってR168から付かず離れず、いつの間にか視界から離れたかと思うと時々思い出したようにすぐ横を流れている十津川も、このあたりでは雄大さすら醸し出している。

 谷瀬の吊り橋を華麗にパスし、風屋の集落をそろりそろりと通り抜けると山間感が一気に増して、

 無事に道の駅 十津川に到着。

 お蕎麦屋さんはあったものの、空腹に耐えかねていた現状でお蕎麦ではもはや我慢ができそうにもなく、かといって何が食べたいのか自分でもよくわからなくなってきて、結果的に物販コーナー(ヤマザキデイリーストア)の惣菜パンで腹をごまかすことにした。このあたりは自分でもよくわからないのだが、ツーリングの昼めしなど結局こんなもんだという気もする。一つ確実に言えることは、人間は必ずしも理屈どおりに行動するわけではないということだ。(ナンノコッチャ)

 時計を見るとまだ時間はありそう。このまま帰るのも少し勿体ないと思いながらツーリングマップルで目線をR168から南へ這わせると、熊野本宮大社があるじゃないか。

 熊野本宮大社といえば、数年前にコロナの終息祈願に行ったところだ。

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 「終息」はしていないが、自粛だー! 隔離だー! 濃厚接触だー! ホテル療養だー! と大騒ぎしていた頃に比べれば「収束」はしている。そのお礼に詣でるのもいいじゃないか。というか、詣でよう。いや、詣でるべきだ。天誅組ではないが、やはりツーリングにもモチベーションを保てる大義名分が必要なのだ。

 道の駅から南も一部の集落を除けば、

十津川村 平谷集落あたり

 ほとんどが広い道に付け替えられていて、

 ちょっと前までの、「トンネル抜けた途端に90度のカーブ」とか「素掘り風の真っ暗なトンネルの真ん中にドデカい穴」とか「雨が降ったら数日は山から溢れてきた伏流水で路面はベチャベチャ」といったトラップだらけの悪路だった頃とは隔世の感がある。

 30分ほど走って突然目の前が開かれたように観光地然とした集落が見えたら本宮に到着。裏側にある駐車場は前回も停めたので迷うことなく見つけられた。

 さあ。ここからは泣く子も黙る熊野本宮大社である。

 速玉大社、那智大社と並ぶ熊野三山である熊野本宮大社の歴史的な重みというか厳粛さは日本屈指のレベル。こう言ってはナンだが、明治や大正になってからできましたみたいな神社とはわけが違うのだよワトソン君。

 毎回、「この階段、いつまで続くねん……」と思った頃にたどり着く神門前。

 もちろん神門の奥に鎮座する神様に御礼を述べに来たわけだが、

 ということなので遵守いたします。

 さて、無事に御礼詣でを済ませ、階段を下った大鳥居の横にあるお土産物屋さんで「もうで餅」をゲット。

 数年ぶりの本宮詣でを済ませ、清々しい気持ちで帰路を検索。来た道(R168)を戻るのも悪くはないが芸が無い…と思って地図を見たら、中辺路(R311)があるじゃないか!

 本宮から少しだけR168を熊野川沿いに走り始めると、向こう岸の河原に何やら文字を発見。

世界遺産祝20年

 世界遺産に指定されたのはもちろんすごくめでたいことなのだろうが、大切なのは指定されてから維持していくことだろう。そう考えると20年っていうのもすごい。

 R168をちょっぴり南下したらR311へ。この中辺路もほとんど信号がなく、適度なアップダウンとカーブ、そして交通量も少なく路面も良いと、何拍子揃っているのかわからないほどの快走路なのだ。

 R168との分岐から約50Kmをのんびり1時間かけて上富田まで走ったら、そこからは紀勢道~阪和道へ。

吉備湯浅PA

 そんなに走り回ったわけじゃないし、初めての道ってわけでもなかったけど、久しぶりに気分よく走れた感があった。やっぱり「快走路」っていうのは何度走っても気持ちがいいものなんだな。

(おしまい)